年下の男の子だと思っていた仕事仲間の、不器用で熱いキスの嵐に溺れていく私
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年下の男の子だと思っていた仕事仲間の、不器用で熱いキスの嵐に溺れていく私 (ページ 1)
梨乃は打ち合わせに向かっていた。
相手はフリーカメラマンの梨乃に定期的に依頼をくれる会社だ。
(今日は新人の担当さんだって聞いたけど、どんな人だろう)
「はじめまして。悠人と申します」
深々とお辞儀をしてきた彼はまだ若く、おそらく入社して間もない感じだろう。
高身長で寡黙なタイプ、モテるだろうなあというのが第一印象だった。
「梨乃です。よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
これが悠人との出会いだった。
まさかこの出会いが、梨乃をあれほど狂わせることになるとは思わなかった。
*****
何度目かの打ち合わせの後、
「梨乃さんっておいくつですか?」
と悠人が唐突に聞いてきた。
(…ん?梨乃さんって言った?)
いきなりの名前呼びに梨乃は少し驚きつつも答える。
「29です。もうアラサーですよ」
「5個上なんですね。年齢なんてただの数字ですよ」
「そうですね…あはは…」
年下からのこのフォローはつらい。
悠人はまだ何か言いたげにしていたが、
「じゃあ、次は撮影で」
梨乃はそう言って悠人が向けてくる視線を遮るようにカフェを後にした。
*****
撮影は無事終わった。
「お疲れさまでした!」
「梨乃さん、送りますよ」
「大丈夫ですよ!まだ電車もありますし」
「危ないので」
「でも…」
「送ります」
梨乃は悠人の圧に負けて、
「…お願いします」
と言うしかなかった。
「機材持ちますよ」
「いいですよ!重いので!」
「重いなら俺が持ちます」
「っ…!」
触れた手にドキッとしてしまった。
言葉の圧は強いのに、梨乃の手をそっとどけるその手つきは優しい。
(なんでドキドキしてるの私!?)
「どうぞ」
「…ありがとうございます」
それにしても、先程から悠人の様子がおかしいような気がする。
梨乃は気になりながらも、悠人が開けてくれた助手席に乗り込んだ。
*****
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