雪の夜に訪れた二人の熱い秘密の時間。たった一度の交わりを忘れられない私の体が疼く。 (ページ 2)

「明日、出勤できるのかな?」

 気がかりではあるけれど、講師の二人は午後出勤だから、昼間になれば交通状況も何とかなっているだろうと思っていた。休講になればラッキー程度の感覚だ。

 だから、久しぶりに同期の二人での本音トークに花が咲き、すっかりお酒もすすんでいた。桃子も慎二も酔いが回るとさらに陽気で饒舌になる。

 話題は必然と男女の話題になり、独り身の桃子が慎二に絡み始めた。

「ねぇ、彼女と仲良くやってるの?」

「まぁね。もう五年だからさ」

「もう五年?長いよねー。結婚のタイミング、まさか逃してないよね」

「そんなこと言うなよ」

「もうさ、デキ婚がいいんじゃない?最近、私の周りも多いよ」

「うーん、確かにありかもな」

 缶ビールを飲みながら、慎二が気のない返事をする。

「彼女とどれくらいの頻度で会ってるの?」

「一か月に一回ほど?」

「えー!少なくない?そんなもの?」

 桃子は驚いた。慎二はマメだし、彼女を中心とした生活だと勝手に思っていたからだ。

 慎二はばつが悪そうに吐き出した。

「なんかさ、浮気されてる気がして」

「えっ?」

 女性の浮気が増えている時代とはいえ、桃子の周りには前例がない。慎二は女性側の意見を聞きたいからか、きわどい質問を桃子にぶつけてきた。

「浮気してても彼氏とヤレるものか?」

「浮気してるからこそ本命としないと、余計に疑われるんじゃない」

「そんなものか…」

「キスとか普通?違和感とかない?」

「うーん、あるっちゃあるかも。でもさ、疑い出してからなかなかそういう気分になりにくい」

「男も萎えるんだ。じゃあ、すればいいのに。浮気」

「無理だよ。ばれても面倒なだけだし」

「口が堅い女とばれないようにすればいいじゃん」

「そんな女、お前以外にいる?」

「じゃあ、私と浮気する?」

 軽く言った桃子の返事が、二人を包む空気を一気に変えた。さっきまでの軽い二人のノリではなくなっていた。

 その空気に耐えられなくなった桃子がさっと視線を外すと、慎二が言った。

「目を閉じて」

「えっ」

 ゆっくりと低い声だった。思わず桃子は慎二を見たが、その目は笑ってはいない。その視線が桃子を妙な気分にさせた。

「冗談やめてよ」

「閉じろよ」

 慎二が桃子をぐっと引き寄せ、そのまま唇を奪った。

「うっ」

 桃子には久しぶりのキスだった。五秒ほどのそのキスは、温かくて柔らかくて、信じられないほど気持ちいい。

「ちょっと…」

 そのまま慎二が桃子を押し倒す。

「ちょっと、なんで…」

「ダメなの?」

 抵抗をしているようでしていない桃子を慎二が見下ろす。その表情は桃子の知っている慎二ではない。こんなに男を全面に出す同期の姿を見たことがない。

 突然の展開に桃子はどうしていいのかさえもわからなくなっていた。ただ、胸の鼓動が慎二に聞こえるほどの恥ずかしさと興奮が、交互に押し寄せる。

「ちょ、ちょっと」

 慎二が桃子のスエットをめくりあげ、慣れた手つきでブラジャーを外した。

「お前、巨乳じゃん」

 桃子は慎二の口調が信じられなかった。荒々しい息遣いの慎二が、少し乱暴な口調でに桃子を攻める。

 両手で乳房を揉みながら、舌でゆっくりと舐め上げる慎二に、簡単に欲情したのは桃子だった。

「なんで…、待って…」

 そう言いながら、白い肌を紅潮させ乳首をこりこりに硬くさせている。それを見た慎二は胸から脇腹、腰、下腹部までを撫でながら、時々その贅肉をつまんで弾力を楽しんでいた。

「敏感なんだな」

「やめてよ…」

「浮気すればって言ったのお前だからな」

「だめだって…、やめて…」

「うるさい!」

 慎二が桃子の唇をふさぐ。舌を侵入させ、絡ませ、何度も唇をはさんでは舐める。

「あぁ…」

 桃子が吐息を漏らすと、慎二はギアを上げた。動こうとする桃子の両手首を軽く押さえつける。

「いやっ…」

 尖った乳首を口に含むと、そのままちゅーちゅーと吸いついてきた。

 首を振って思わずのけぞった桃子の乳房に慎二が顔を押し付ける。決して苦しくはないのだが、上に乗る慎二が桃子が動かないように脚を使って固定していた。

 久しぶりだからだろうか。桃子は股間がたっぷり潤っていることにまだ気が付いていない。太ももにあたる硬い大きな塊を感じながら、陶酔感に包まれ身動き取れない感覚に襲われているのだ。

「気持ちよさそうな顔するんだな」

 にやりと笑う慎二が桃子のズボンの中に手を入れた。

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