素顔も分からない彼に甘い甘いトリックアンドトリートな舌で翻弄される (ページ 2)

 私が尻尾などの装飾品を取っていると、彼は顔を近づけてきた。

「唇が真っ青だ」

 そう呟くと、軽くキスをする。そのキスが痺れそうなほど甘かった。

 この人は私にお菓子を与えてくれる人かもしれない。彼を見上げながら、

「Trick or Treat?」

 そう問えば、

「どちらも」

 またキスをした。今度は舌を入れて深いキス。

 舌を一生懸命に動かし、彼の甘いお菓子を口移しするように絡める。はあ、甘い。

「ん、…んうう…」

 甘くて、腰のあたりに痺れが伝わる。もっと欲しい。

 顔を離し、お互いに熱い息を漏らす。

 落ち着いたところで、彼にずっと気になっていたことを尋ねる。

「あなたは何とお呼びすればいいの?」

「ファントム、とでも」

 彼はまだ仮面を付けたままだ。外す気はないのだろう。

 私ばかり素顔を晒して恥ずかしい。だから、

「私の名前はシャム」

 昔飼っていた猫の種類だ。

「いいでしょう、女王様」

 ファントムさんは慣れたように私の手の甲にキスをした。彼がどう生きてきたかを知らないが、とても悲しいキスをする人なのだと思った。

 私の黒猫衣装を脱がせるファントムさん。すべては下ろさず、胸が出たところで止めた。

 下着も取り去る。

 自慢ではないが、乳首は綺麗な方である。彼氏にもあまり舐めさせないようにしている。

 その薄桃色の頂きをファントムさんはパクリと口に含む。この人ならいいかなと思ったから抵抗はしなかった。

「甘い…」

 飴を舐めロるようにコロコロと乳首を舌で転がす。私の頂きはすぐに硬くなって立ち上がった。

「あっ…ん、あっ」

 彼の舌使いはキスのときから分かっていたが上手かった。ねっとりと絡みつくように、逃さないように相手を追い詰めている感じがある。

 意外と粘着質なのかなと思ったら、ガブリと乳首を噛まれ、下半身に手を持っていかれた。その手はそのまま私の大事なところに布の上から触れる。

 彼が「集中してください」と言っているようである。

「ぁ…」

 割れ目をなぞられて、情けない声が出た。

 私はファントムさんの手によって、次第に蕩けていった。

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