セフレの関係にとどめておこうと思ったのに、いつの間にか沼ってしまい離れられなくなりました

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セフレの関係にとどめておこうと思ったのに、いつの間にか沼ってしまい離れられなくなりました (ページ 1)

ピンポーン

行き慣れた彼の部屋。
インターホンを鳴らすといつも通りのタクトが私を出迎える。

「よぉ」
「おはよ」

慣れた感じで中へ入り指定の場所に座る。

今日は外で会うつもりだったのに雨が降る予報でタクトの部屋で会うことになった。
外で会ってもどうせ行くところはラブホしかないのだけれど。

「なんか飲む?」
「あ、うん。ありがと」

タクトとは1年ほど前からセフレの関係を続けている。

最初は気軽に割り切った関係を楽しんでいたのに、最近になってタクトのプライベートが気になってきている自分がいる。

(そういや彼女いるんだっけ…今どうなってるんだろ)

関係を持ち始めた当初は、タクトに彼女がいることも知っていた。
今その彼女とどうなっているのか気になるけれど、面倒くさい女と思われたくなくて、タクトのプライベートな事は聞かないようにしている。

(でも普通に聞くくらいなら問題ないかな…?)

あくまでセフレの距離感を保ちつつ、興味がない素振りをしているけれど本当はタクトとセフレ以上の関係を望んでいる。

だけどタクトの口癖「女ってめんどくせー」って言葉にこの思いを隠しておこうと決めた。

「ほい、カフェオレ。砂糖抜きだから」
「ありがと」

何気に私の好みまで把握しているタクトにときめかないはずがない。

(いつも私の好きなものばかり…勘違いしないようにしないと)

「あ、そうだ。映画観ねぇ? この前観た映画の続編」
「え、出てるの?」
「うん、昨日から配信されてた。お前絶対観たいと思って観るの我慢した」
「あはは! ありがとー。観よう観よう!」
「そう言うと思ってお菓子も用意しといた。じゃ、用意するわ。ちょっと待っててな」

本当なら外で会ってラブホでエッチする予定だったのに、気付けば普通の彼氏彼女みたいなことをしている。

その後普通にお菓子食べながら映画を見終えるとちょうど昼ご飯時。

「いやぁ、おもしろかった。次の続編が出たら映画館で観たいな」
「うん! 行きたいね! それより昼ご飯どうする?」
「もうそんな時間か。何食べたい? 出前でもとるよ」
「だめだよ、もったいない。台所使っていいならなんか作るよ」
「まじで」
「うん」

*****

結局、冷蔵庫の中を見て作れそうなオムライスを作って2人で食べた。
タクトは「うまい!」と言って食べてくれた。

映画も見てご飯も食べて、いよいよやることがなくなった。
なんとなく沈黙が流れてトイレに駆け込んだ。

(こういうことしてたら、いつかタクトから離れなきゃいけなくなる時しんどいだろうな…今日はもう帰ろうかな…)

どうするか悩みながらも部屋に戻ると、タクトの機嫌がさっきよりも不機嫌になっていた。

「どうしたの?」
「…朱音さ、合コンとか行くの?」
「え…」

急になんのことかと思ったら、どうやら私の携帯がさっきメールを受信したとき画面に写るメッセージが見えてしまったようだった。

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