眼鏡屋で突然湧きあがった二人の嫉妬心。眼鏡をかけての素股プレイは最高の大人の遊戯! (ページ 2)

「耳元失礼します!」

 同じように男性店員が若菜の耳に手を添える。どこに視線をやっていいのかわからないほど、その数秒が長く感じた。軽く触れた男性店員の指先が、昨夜の陸人を思い出させる。

 そんな淫らなことばかり考えている若菜を、いつからか陸人が見つめていた。

 ばつが悪い若菜の鼓動はさらに速くなり、不自然に視線を逸らす。

「ありがとうございました。お会計をお願いします!」

 男性店員の声で、若菜は冷静さを取り戻した。

「ごめん、待たせちゃった」

「全然。先に食料品買いに行こうか」

「そうね」

 今にも汗が吹き出しそうなほど、若菜は体の火照りを感じていた。陸人に気付かれないよう、前をそそくさと歩く。

「若菜、本は買わなくていいの?」

「えっ?」

 振り返ったときには、いつもの若菜に戻っていた。

*****

 
 夕飯を済ませ、軽くハイボールを飲みながらテレビを見る平和な時間。買ってきた雑誌をバッグから取り出し、眼鏡ケースもテーブルの上に置いた。

「この眼鏡、すごく気に入った」

「若菜さ、あの店員どう思った?」

「店員?対応してくれた人?どうも思わないよ。なんで?」

「ドキドキしてたでしょ」

「してないよ。陸人だって店員さんと嬉しそうにしてなかった?」

「見てたの?」

「ちょっと見えただけ」

「ふーん、そうなんだ。確かに距離が近くてびっくりしたけどね」

「うん、私も」

「なんだっけ、フレームを調整するやつ」

 陸人が若菜の眼鏡ケースを開け、何も言わず眼鏡を取り出す。

 そのまま、若菜に眼鏡をかけた。

「耳元失礼します!」

「台詞、覚えてる!」

 耳たぶをふわっと触りながら、悪戯に微笑む陸人がキスをした。

「眼鏡、似合ってるよ」

 若菜の頬を両手で挟み、陸人はもう一度長くて甘いキスをした。

「あの…、店員さん、さ…、」

 求め合う唇が、ちゅっちゅっと卑猥な音を作り、会話を遮る。

「なに…」

「ううっ…、り、陸人を…」

「…俺、を?」

「見てた…よね…」

 舌が絡み合い、吐息が漏れる。それだけで数時間前に中断したはずの前戯が一気に蘇る。

「しよっか」

「…うん」

 こくりと頷く若菜から、陸人が眼鏡を外すと、両手を上にあげ着ていたTシャツを脱がせた。

「電気、消して」

 何度抱かれても自分の体に自信のない若菜は、あまり明るい場所でのセックスを好まない。

 立ち上がった陸人は、そのまま着ていたシャツとデニムを脱ぎ下着姿になった。

 若菜も着ていたスウェットを脱ぎ、ブラとショーツになる。

「俺にかけて、眼鏡」

「わかった」

 陸人がごそごそと眼鏡を取り出し、若菜に手渡す。

「耳元失礼しまーす!ふふっ」

 若菜が陸人の耳に手を滑らせ、眼鏡をかけた。

「どうですか?きつくないですか?」

 まるで十代のカップルのようにはしゃぐのも、たまには悪くない。

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