この世でやり残したことは、大好きな後輩くんとの初体験?天使に背中を押された私は… (ページ 5)
電話の音で目が覚めた。
「あのう…あと十分でニ時間になりますけど、延長されます?」
「え?…あっ…出ます」
仕事に戻らなきゃ。
一体あれは何だったんだ?
夢にしては妙にリアルで、ハルの感触まで身体に残っているのに、私は服を着たままラブホのベッドでハルと一緒に爆睡していた。
ぼわん、と、おっさん天使が現れる。
「瑞希ちゃーん、うふふ。ごめんなさいね。瑞希ちゃんは間一髪で助かったんだけど、連絡が来てなくて…。とにかく、ハルとお幸せにね」
ちょっと…間違いとか、ありえない。
「おーきーろーハル!」
「あっ、瑞希さん大丈夫? 車が突っ込んできたから、腕を引っ張ってなんとかよけたんだけど、瑞希さん、転んで倒れてから目を覚まさなくなっちゃって…頭も打ってないし、呼吸も脈も正常だったからラブホで寝かせといたんですが、病院行きますか?」
「大丈夫。あぁ、ハルがいてくれてよかった」
おっさん天使の言うとおり、ハルのおかげで命拾いしたのだ。
「ね、代休も溜まっちゃったし、この仕事が終わったら、ふたりでどっか行かない?」
いつ死んでも後悔しないように、その時に気持ちを伝えて、できればエッチも…。
「いいっすね。じゃあ車出しますからドライブとか」
「了解」
「瑞希さんから誘ってくれるなんて嬉しいな。さっきもすごい夢見ちゃって…」
「何の夢?」
「ぜーったい秘密」
「教えてくれたっていいでしょ」
「じゃあ、ドライブに行ったときに教えてあげます」
「わかった」
どちらからともなく手を繋いで、私たちはラブホをあとにした。
コメント (0)