エロ漫画が描きたい先生はまさかの童貞。アシスタントの私は先生の実験台にされて… (ページ 2)

「ねねね、俺さあ、新連載描きたいんだけど、いい?」

「はぁ!?今の連載、一番の山場でしょうが…、編集長が激怒しますよ。…また、なんで?」

「いや、なんとなくだけど」

「尚更怒ります!!私も!!」

ぐび、と麻莉奈は怒りに任せて芥田の提案を一蹴する。芥田は、しょんぼりしながらこう続けた。

「ええ…そんなに怒んなくても…」

「ちゃんと終わってからやったらいいじゃないですか、それなら私だってそんなに怒りませんよ」

「…副業みたいな感じで、さ?」

「…一応聞きますけど、ジャンルは何なんですか」

「エロ漫画」

「…はぁ?」

芥田がこんなに創作意欲を示すのは珍しかったので、麻莉奈は聞いてみたが、想像もしないような言葉が芥田から飛び出してきた。

「なんかすごい描いてみたくてさ、趣味みたいな感じで」

「エロ漫画って…同人作家じゃないんだから…」

「俺は本気だ!エロ漫画でも俺は天下を取る!!」

「え…っ、ち、ちょ、先生!?」

芥田はすぐさま仕事部屋から紙とペンを取ってきて、絵を描き始める。

…が、しかし、すぐに手が止まった。

「…せ、先生?」

「…けない…」

「…へ?」

「女の身体が、描けない…」

芥田は、呆然と真っ白な紙を見る。

「…俺、童貞だった…」

「…そ、そうなんですか…」

「どうしよ、俺、エロ漫画が描きたいのに…なんで」

「…じ、じゃあ、この話はなかったことに…」

「…あ」

「…な、何ですか」

「麻莉奈ちゃんがいるじゃん!!」

さらにトンデモ発言をかます芥田。漫画家の言うことはつくづく変わってるなと思った麻莉奈だった。

「…ど、どういう意味ですか?」

「麻莉奈ちゃん…一生のお願い、聞いてくれる?」

「…は、はい…?」

「お願い!裸見せて!」

「…な、なに言って…!!」

麻莉奈は顔を真っ赤にして芥田に怒る。仕事とはいえ、芥田に裸を見せるなんて。そんなことを考えながら焦って麻莉奈は拒否する。

「無理に決まってるじゃないですかぁ!せ、先生に、裸なんて…」

「ほんとに、見るだけ!…このお願い飲んでくれたら、もう締め切りギリギリなんてこと、絶対しないから!」

芥田はうるうるとした瞳で麻莉奈に迫る。まあ、芥田は本当に気になることに関してはとことん追求する人なので、逆に今麻莉奈が犠牲になればほかの人には被害が及ばないかもしれない…と思い、仕方なく麻莉奈は芥田の願いを承諾した。

芥田に下心がないのは分かっているし、麻莉奈もその辺は心配していなかった。

「…ほんとに、見るだけですよ?」

「ほんと!?ありがとう!!!まじでこの恩は一生忘れない!!」

「…いちいち大袈裟ですね…」

「じゃあ、俺が脱がしてみてもいい?」

「…いいですよ」

麻莉奈は顔を真っ赤にさせながら、芥田が自分の服を脱がせるのをじっと待った。変に緊張してしまって、息が詰まりそうだった。

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