本当はダメなのに…!仮面パーティーで出会ったステキな彼とHなゲームで盛り上がる夜 (ページ 2)

「どうも。俺は透。ねぇ、京子ちゃん。あっちのバーでドリンクでももらってこない?」

どうしたらいいか分からず固まっている京子に「俺も、もうグラスが空でさ」と言いながら、透と名乗ったその男はバーカウンターまで京子の手を引いていく。正直、助かった。京子は心の奥底で安堵した。

バーには誰もおらず、バーテンダーが静かにグラスを拭いているだけだった。

二人して、カクテルを頼む。透に勧められたカクテルの名前を京子は知らなかったが、ほどよく甘くて美味しかった。飲みやすいから、気づかないうちに結構酔ってしまいそうだな…と少し警戒した。

「仕事は何してるの?」

「私はただのOLです。友達に誘われなきゃ、こんな華やかなパーティーにも来るような縁なんてなかったし」

「ふーん。じゃぁ今日は京子ちゃんに会えて、俺はラッキーってことか」

当たり障りのない会話の中に、透はさらりと口説き文句を混ぜてくる。京子のように顔半分がブラックのマスクで隠れているが、よくよく見ると鼻筋の通った形の良い鼻に、薄くて控えめな口元、マスクの奥の瞳は二重ではっきりとしていて、おまけに背は180センチはゆうに超えている。

スタイルがよく大柄ではあるが、150センチしかない京子が威圧感を感じないのは、物腰の柔らかい雰囲気のせいだろうか。カクテルも進み、京子の頬は自然と赤く染まりはじめた。

「ねぇ、京子ちゃん。ゲームでもしない?」

急に透が楽しそうに提案する。かれこれ1時間程度は他愛のない話で盛り上がっていたが、そろそろネタが尽きる頃だった。

「俺の目の前には今、ハンカチと、ボールペン、それにグラスとグラスの氷、あとコースター。あ、あとくしゃくしゃの名刺がある」

透は自分のポケットから持ち物を出しながら、机に並べはじめた。

「京子ちゃんには目を瞑ってもらう。自分に触れている物は何かを当てるゲーム。どう?やってみない?」

アルコールも手伝って開放的な気持ちになっていた京子は、いいですよと明るく答えた。顔さえしっかりと分からない男ではあるが、小一時間の会話の中ですっかり警戒心も解かれている。

「じゃぁ、目隠しするね」

透は自分のスーツの胸ポケットに入っていたチーフで、京子の目元をマスクの上から覆い、後ろでギュッと結んだ。

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