私が恋しているのは、同僚の草食系男子。ある日、そんな彼からデートに誘われて…!?
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私が恋しているのは、同僚の草食系男子。ある日、そんな彼からデートに誘われて…!? (ページ 1)
今日も、和希さんは私の隣の席で黙々と仕事をしている。
無口で真面目で、仕事は完璧だけど、そのプライベートは謎に包まれている。
部署の飲み会にも、一度も来たことがない。
いわゆる草食系男子。
私は、そんな彼に恋をしている。
きっかけと呼べるものがあったわけじゃない。
ただ毎日顔を合わせて仕事をしているうちに、いつの間にか彼に惹かれていた。
「あの、和希さん、忘年会の出席表が回ってきたんですけど…」
「ああ、ありがとうございます」
私が渡した出席表を、和希さんは興味なさそうに眺めた。
「…今回も欠席ですか?」
思わず尋ねると、彼はためらうことなく頷いた。
「飲み会ってあまり好きじゃないんで」
「そうですか…」
「優子さんは?」
「私も…今回はやめとうこうかなと思います。そこまで飲み会が好きなわけじゃないですし」
それに、和希さんがいないならあまり意味はない。
そう思って、私もこそっと欠席に丸をつけた。
すると、彼は意外そうに目を丸くして、小さく微笑んだ。
「じゃあ、二人だけで忘年会でもします?」
「え?」
「優子さんさえよければ」
それは私にとって、願ってもないデートの誘いだった。
*****
「ですから~、私は本当に、本当に和希さんのことを尊敬していまして~」
「はいはい、ありがとうございます」
「返事が適当過ぎませんか~?」
「だってそれ聞くのもう五度目ですよ。優子さんって、酔うとけっこう面倒臭いんですね」
そう言って彼は朗らかに笑った。
まさか、自分がこんな姿を晒すことになるなんて思いもしなかった。
緊張していたせいか、しこたまお酒を頼んでしまって、まだ一軒目なのにこんなべろんべろんに。
「和希さんだって、顔真っ赤っかじゃないですか~。可愛い~」
「酒を飲むとすぐこうなるんです。全然可愛くないですよ。ただのおっさんです」
「そんなことないです。和希さんは、誰よりも可愛いです」
そう言いながら、私は和希さんにぎゅっと抱きついた。
酔っ払いってほんと恐ろしい。
「優子さん…」
見上げると、彼は困ったような顔で私を見つめていた。
困らせているのは申し訳ないけど、今はその表情さえ愛おしい。
そう思っていたら、その顔が少しずつ私に近づいてきた。
「和希さん?んっ…」
唇が重なる。
柔らかな感触の後、ゆっくりと顔が離れた。
「好きです、優子さん」
信じられない告白をされて、頭が真っ白になる。
何が何だかわからないまま私は頷き、そして当然のように、ホテルに向かった。
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