ハネムーン先で、マッチョな現地ガイド君との駅弁ファックにイかされちゃう私… (ページ 5)
その翌日は、最終日だったのでサムを一日ガイドとして雇い、市内観光と買い物をした。
帰国する日の朝、サムは目の周りにあざを作って私を迎えに来た。
「どうしたの、サム?」
と聞くと、サムはバツが悪そうに、
「奥さんに…あ、大丈夫だから、ユキさんは気にしないで」
と言って、眉毛を下げて困り顔で笑った。
空港に到着して、カウンターでチェックインの手続きをしていると、プロレスラーのようなでっかい女が身体を揺らしながら、ものすごい形相でこちらに走ってくる。
ちょっ…、もしかしてあれがサムの妻?
ってことは、私はこれからあの巨体の女に殴られるのか。
怖い…。
チェックインが終わり、荷物を預けると、女に掴みかかられた。
「くぅおのぉっ、くそビッチ!小学生みたいな顔して人の男に手を出しやがって!」
「あああああっ、ごっ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…夫に浮気されて、で、で、で、出来心で…ほんっとにごめんなさいっ!」
「言い訳するんじゃないよ、ヤリマン女!」
ああっ…殴られる!
女は私の頬を平手でバチンと張った。
それから、あと2、3発は来るか、と身構える。
「もうしないんなら、許してあげる」
「は、はい…もう絶対にしません」
ああ、これで許してもらえるのか、ふう、怖かったよう。
「うふふっ、あんた可愛いね。私の男、よかったでしょ?」
え? はい、よかったです、すごく。
返答にためらっていると、女は分厚い唇で、私のほっぺたにぶちゅっとキスをして、私を解放した。
サムと握手をして、別れを告げる。
「じゃあね、ユキさん、また遊びに来てね」
「ちゃんと仲直りして、ダンナさんも一緒にね」
サムの妻が、さっきまでの形相とは打って変わった柔らかな笑顔で言った。
夫とどうなるのかは、わからない。
でも、これでおあいこだ。
この南の島の、無駄に熱血なのにかなり適当な解決策に感化されて、とりあえず帰ったら殴り合いでもしてみようか、などとうっかり考えてしまっている。
出国ゲートに入る前にもう一度振り返って、手を振って、それだけではもの足りなくて大げさな身振りでふたりにキスを投げた。
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