好きなのに、こじれた関係の同期に誘惑され、今夜だけと淫らに狂う社員旅行の夜 (ページ 2)
新入社員研修の最後の日に、私は酩酊するまで飲んでしまい、タクシーに乗せられて功の家に行った。
功と私は、研修中の課題のペアを組んだことから、けっこういい雰囲気になっていて、このままいけば多分つき合うことになるだろうと思っていた。
もうひとりの同期がタクシーに乗っていたのは知ってたけど、途中で降りるのだと思っていた。
部屋に着くと、功は私を自分のベッドに寝かせ、唇に軽くキスをした。
その時も、酔ってはいたけど、半分意識はあった。
功は私を残して、寝室を出た。
明け方の夢の中で私は、功に抱かれていた。
本当にしてるみたいに感覚もリアルで、夢の中で功の名前を呼んでいた。
目が覚めると、私の身体は男の手で愛撫されていた。
挿入されるときに、その男が功でないことに気づいた。
抵抗しようと思えばできた。
でも、快楽に流された。
している最中に寝室のドアが一度だけ開けられて、すぐに閉められた。
功に、見られてしまったのだ。
それから功は、私の最も近くにいて、最も遠い人になった。
罰ゲームは、いつまで続くのだろう。
*****
目的地の温泉旅館に着くと、他の車もほぼ同じタイミングで到着し、先輩たちと合流した。
温泉にゆっくり浸かって、旅館の浴衣に着替え、先輩たちと他愛もない話をしていたら宴会の時間になった。
乾杯を合図に、宴会が始まる。
やはり新入社員だからか、普段あまり話をしたことのない先輩たちにいろいろな質問をされる。
功は私の斜め前に座って、照れたような笑いを浮かべながら、上司と話をしている。
宴会の途中に席を立ち、トイレに行くと、出たところに功が立っていた。
かなり酔っているみたいで、浴衣の襟元のあたりの肌が赤い。
「功、大丈夫?」
そう言って、背中に手を当てた。
功は酔うと、鬱っぽくなることを思い出した。
不意に抱きしめられ、混乱して功の顔を見上げる。
顔が近づいてきて、唇が触れ合う。
舌を差し込まれ、身体の奥が溶けて、痺れる。
「春香、宴会が終わったら部屋に来て。同室の先輩たちはいないから」
頭がぐらぐらして、何も考えられない。
人の気配がしたので、私達は身体を離し、宴席に戻った。
功には、酔っ払って好きでもない男と寝る女だと思われている。
だから、誘ったのだろう。
それでもいいと思った。
今夜だけでいいから、功が欲しい。
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