診察室で元カレとまさかの再会!診察の後、彼の休憩室に招かれて…
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診察室で元カレとまさかの再会!診察の後、彼の休憩室に招かれて… (ページ 1)
診察室に入った瞬間、莉子は心臓が止まるかと思った。
「どうぞ、お掛けください。今日はどうされました?」
パソコンのカルテを見ながら話し始めるところを見ていると、あちらは気付いてないのだろうか。
「あの、ここ数日だるくて。めまいもします」
そう答えたものの、莉子の心はここにあらずだ。
この数日体がだるくて、仕事中もめまいがしたので、今年近所に開業したクリニックにやってきたのだった。
院長先生が、高校時代に付き合っていた直彦だとは、思いもしなかった。
高校卒業後に医学部に入学し、内科の医師になったことは風のたよりで知っていたが、こんな形で再会するなんて。
「はい、じゃあ血圧測りますね」
先生は何事もないかのように、診察を進めていく。
「軽い夏バテでしょうね。お薬出しますので様子みてください」
「はい、ありがとうございました」
莉子は先生の淡々とした様子に何も言い出すことができず、診察室を後にしようとした。
その時、
「あ、ちょっと待って」
直彦が机の上にあったメモ帳に何か書いて、小さく押りたたんで莉子に手渡した。
待合室のソファに座り、莉子はメモを開いてみる。
メモには電話番号と、『連絡ちょうだい』と懐かしい文字で書いてあった。
(なんだ、やっぱり気付いてたんじゃん)
莉子は早速ショートメールを送った。
『直彦だよね?久しぶり』
すると意外にもすぐ返信があった。
『莉子、久しぶり。あと30分待って、病院の裏に来てくれない?』
*****
莉子は会計を終えた後、近くのコンビニで時間を潰し、病院の裏の出入り口にやってきた。
「莉子、入って?」
直彦がドアから顔を出し、莉子を招き入れる。
そこは机と椅子が置いてあり、小上がりに畳が敷いてある小さな部屋になっていた。
「僕の休憩用の部屋なんだ、靴脱いで畳上がってね」
莉子は言われた通り、畳に上がる。
「さっきはすごいびっくりしたよ!莉子、この辺に住んでるんだね!」
「直彦、何の反応もしないから、気付いてないのかと思った」
「さっきは看護師さんたちいたから…ね!莉子、もう一回ちゃんと診てあげるから、上着脱いで?」
「え?もうさっきので充分でしょ?」
「ううん、さっき莉子、血圧高かったし。胸の音も聴いてないしね」
そう言うと直彦は聴診器を莉子に当てようと近くに腰掛けた。
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