社畜OLが、スパダリ系金髪男子に性的に癒やされて幸せになるお話 (ページ 2)
カーテンの隙間から差し込む日差しの眩しさに、由奈はしばらく目を瞬かせた。
スズメの鳴き声を耳にして、しばらく思考を巡らせる。
「…あれ、わたし…っ?!」
はっとして、勢いよく身体を起こす。
まわりを見渡すが、そこは見慣れた自分の部屋だった。
「あ、起きた?」
そこには、小さな鍋を乗せたお盆を持った、あの金髪の青年が立っていた。
ちょうど起こそうと思ったんだよね、とそばのミニテーブルにそれを置く。
「えーと…」
由奈はいまいち状況が飲み込めず、昨日のことを必死に思い出そうとする。
昨日、仕事帰りに迷子の子どもを見つけて、それで…
「僕が抱えて、この家まで帰ってきたんだよ?覚えてる?」
「…いえ、まったく…」
「うーん、無理もないかぁ。眠っちゃいそうになりながらも、必死に自分が住んでるところ、僕に伝えてきたんだよね」
よほど疲れてたんだね、と穏やかな笑みを浮かべつつ、鍋の蓋を開ける。
ほわっと、温かく美味しそうな匂いが漂う。
その食欲をそそる香りに、由奈は思わず中身を覗き込んだ。
「台所借りて、お粥作ったんだ。身体に優しいものをと思って。食べられそう?」
レンゲに掬い上げた熱々のお粥に、ふーっ、ふーっと息を吹きかけ…青年は、由奈の口元に運んでやる。
「えぇっ…えぇっと…」
はい、あーんして、の仕草に由奈が戸惑っていると、青年はにこやかに応える。
「いいんだよ。甘えたって。仕事で疲れてるんでしょ?うなされてたよ?」
思い当たる節は、いくらでもあった。
でも、誰かわからないまま、この青年にご飯を食べさせてもらうわけにはいかないと、妙なプライドが邪魔をする。
「じゃ、じゃあせめて、名前を教えてください」
「そしたら、このまま食べさせていい?」
「それくらいは、まぁ…」
その整った顔立ちに赤面し口ごもると、青年は、ふっと柔らかな笑みを浮かべた。
「名前は晴人。よろしくね」
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