素直で可愛い彼女は夜も白くて甘くて柔らかくてマシュマロみたい (ページ 3)

 僕が初めて、と口にした華のそこは、もう何回も同じ夜を過ごしたおかげか、中ほどまではあまりにもすんなりと僕を飲み込んでくれる。早く全て埋めてしまいたくてぐっと腰を押し付けるようにすれば、圧迫感が苦しかったのか華が低く呻いた。

「この辺でやめておこうか?」
「い、嫌、もっと来て、止めないで」

 嬉しすぎる言質を取った僕は、きっとよくない顔をしている。怖がらせたくはないけれど、目がギラついてしまうのはもうどうしようもない。突き立てるようにして奥へ奥へと進んでいく。華が息を詰めつつ僕の二の腕に爪を立てた。
 
 大丈夫? と尋ねようと顔を上げて、そして気付いた。華が目に涙を溜めてこちらを見て、口をぱくぱくと動かしている。どうしたの、と問えば、彼女は細い声でこんなことを告げてきた。

「きっとね、他の子もそうなの」
「うん? 他の子?」
「他の子も、きっと私と同じくらい白くてすべすべで柔らかいの。私、ちっとも特別じゃないの」
「…ああ、さっきの話?」

 動くのをやめて華の声に耳を傾ける。中を刺激しないように努めて静かに相槌を打てば、彼女は困ったように眉を下げて笑う。申し訳なさそうな、あるいは不安そうな顔に僕はひやっとする。
 女の子ってみんなこうなの。僕が何気ない疑問を口にしたことで、彼女を不安にさせてしまったかもしれない。
 
 反省しかけたのも束の間、華の小さな口からこんな言葉が飛んでくるものだから、僕はいよいよ嬉しくなって、堪らなくなってしまう。

「うん。でもね、でも日向は私だけでいてね。もし他に綺麗な女の子を見つけても、ずっと私のこと、好きでいてよね」
「っ、う、うんもちろん、もちろんだよ。華もだからね。他のもっと甲斐性があってかっこいい奴のところになんか、行ったりしないでよ」

 華が素直だから僕も素直になる。華が嬉しいから僕も嬉しくなり、華が気持ちいいから僕も気持ちよくなる。ずっとそうでありたい。ずっと華しか知らずにいたい。ずっと華を好きでいたいし、ずっと華に好かれていたい。
 
 再び動き始めた僕の体に華は両手を伸ばしてしがみついてきたので、僕もあやすように背中へ腕を回して抱きしめた。甘い匂い、やわらかい体、小鳥みたいな声、素直な心、全部好きだ。
 ああどうしよう、まだ金曜の夜は終わってさえいないのに、もう来週が待ち遠しい。

-FIN-

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