彼氏にフラれて傷心中の私は、ある日夢の中で素敵な彼と出会い、甘い時を過ごすことに…

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彼氏にフラれて傷心中の私は、ある日夢の中で素敵な彼と出会い、甘い時を過ごすことに… (ページ 1)

その夜、私は八年付き合った彼氏にフラれた。

理由は単純。

私より守ってあげなきゃって思える人ができたから。

「沙月は一人でも生きていけるじゃん。でもあの子は、俺がいないと生きていけないんだよ。だから、ごめん」

それが彼の最後の言葉だった。

正直、何それって感じ。

結婚の話だってしてたし、八年も付き合ってたのに、終わるのはあっという間だった。

私は一人アパートに帰ってヤケ酒して、リビングのテーブルに突っ伏したまま眠った。

*****

「ん…?」

目を開けると、知らない部屋にいた。

ピンクを基調として、たっぷりとした花やレースがふんだんに使われた、少女趣味全開のお部屋。

どこだろう、とぼんやりした頭で考える。

「あ…昔奮発して泊まったスイートルームかな?」

そのことに思い至ってから、これは夢なんだってすんなり理解できた。

だって私は彼氏にフラれてアパートでヤケ酒してたんだもの。

なのに目を開けたらこんな部屋にいるなんて、夢じゃないと説明がつかない。

「現実は最悪だけど夢は最高ね」

私はため息を吐いて立ち上がった。

冷蔵庫に何か美味しいものとか入ってないかしら。

味覚が感じられるかわからないけど、折角だからこのスイートルームを楽しもう、と思った時だった。

突然ドアが開いて、知らない男性が入ってきた。

「え…」

「沙月さん、起きたんだね」

現れたのは爽やかイケメン。

モデルみたいに背が高くて顔立ちも整っている。

年下みたいだけど、正直、めちゃくちゃタイプ。

でも見覚えはない。

「あの、えっと…」

「どうしたの?沙月さん」

「あなた、誰?」

意を決して尋ねると、イケメンはちょっと目を丸くした後、おかしそうに噴き出した。

「あははっ、俺のこと忘れちゃったの?廉だよ、廉。酷いな~、沙月さん。彼氏のこと忘れるなんて」

「彼氏?」

私の彼氏ならこんなにイケメンじゃないし、数時間前にフラれたばかりなんだけど。

そう言おうとしたところで、抱き締められキスされた。

「んっ…」

「酷い沙月さんには、お仕置きしなきゃね」

廉は甘い声で囁(ささや)いた。

彼の手が、私のあそこをそっと撫でる。

普通なら恐怖を感じるであろう状況なのに、夢の中だからか、そういうものは一切感じなかった。

私は彼の体を抱き締め返した。

だって、夢なんだもの。

高級スイートでイケメンに抱かれるなんて、最高の夢じゃない。

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