あれ!?私、不感症のはずなのに…先輩、SEX上手すぎます! (ページ 4)
背中を仰け反り、声も出さずにイった私の姿を見守っていた原田先輩は、満足そうにそろりとヒクつく中から指を引き抜く。
「上手にイケたね、本条。…気持ちよかった?」
「は…ぁ、原田先輩…」
「そんなにトロンとした顔で見られたら、俺もいろいろ限界なんだけど」
先輩は苦笑しながら私の唇をそっと食むように優しく口づけてくる。
「…入れていい?嫌なら、ここで止まるよ」
もう不感症じゃないってわかったしね…ここで止めるのは正直だいぶしんどいけど――
と、眉毛を下げながら言う先輩に、愛おしさが込み上げてくる。
イったことで脱力していた体に力を込めて、間近にある先輩の首に腕を回した私は、自らそっと唇を重ねた。
驚いて目を見開いている先輩が可愛くて可愛くて、仕方なくなる。
「原田先輩、きて…ください」
恥ずかしさが勝って消え入るようなか細い声になってしまったが、どうやら先輩には届いたらしい。
「…あんまり可愛いことするなよ。優しくできなくなる…」
そう言うのに、私に触れる先輩の手も、唇も、どこまでも優しくて。
入れるよ…の声とともに入ってきた熱い楔(くさび)が身を貫いた時も、圧迫感がすごくて苦しさはあるものの、痛みはなかった。
いままでSEXのときに感じていた苦痛は一体何だったのだろう。
ずっと抱えていたSEXや元カレに対するトラウマが、一夜にしてすっかり霧散し、その夜は先輩から与えられる快楽にただただ身を委ねた。
*****
「…先輩って、いつもああやって女の人を誘うんですか?」
情事を終えた今、私たちはベッドで2人並んで寝そべっている。
…と言っても、私は今頃訪れた羞恥心と戦っている真っ最中だが。
物凄く…ありえないほど乱れてしまった自覚があるので、致し方ない…。
頭まで引き上げたシーツから目だけ覗かせそう問いかけてみたものの、先輩の顔を見ることができず視線を彷徨わせてしまう。
「んー?『ああやって』って?」
体をこちらに向けながら肩肘をついて私の髪を梳いていた原田先輩は、私の問いかけに楽しそうな声を出した。
なにが可笑しいのかと内心少し拗ねていると、スッとシーツの中に入ってきた指に顎を捕らえられ、そらしていた目線を強引に合わせてくる。
「好きな子にしかアピールしないよ」
「…へ?」
低く甘い声とともに届いた言葉に、頭がついていかない。
絡めとられた視線、耳に吹き込まれる声に、触れられる熱い手。
静寂な空間のなか、自分の鼓動だけがやけに大きく聞こえる。
「本条は、どうしたい…?」
良い男の、本気のアピールって…恐ろしい。
夜はまだ長い。
憧れていた先輩から迫られて逃れる理由がある筈もなく…私が口説き落とされるのも時間の問題だった――
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