彼に媚薬を飲ませて激しいセックスがしたい!それなのに飲んでしまったのは…私?! (ページ 2)
「お待たせ、良介」
笑顔で言いながら良介の前にオレンジジュースを置く。こっちは当然、媚薬入りのオレンジジュースだ。
「あ、お母さんが送ってくれたお菓子もあるんだった。持ってくるね」
お構いなく、と笑う良介の声を背中で聞き、明美はキッチンの戸棚からクッキーの袋を手に取る。
「このクッキー、良介が好きだからってお母さんが送ってきてくれてさぁ」
「ほんと?嬉しいなぁ」
ふんわりとやわらかい笑顔を浮かべるのが可愛いな。と良介の隣に腰を下ろす。
「じゃあ早速食べよっか。良介、乾杯しよ?」
「うん、そうだね」
明美の声に頷いて良介もグラスを持ち上げ、カツンと乾杯する。
まさかその飲んでいるジュースに媚薬が入っているとは良介は思いもしないだろう。
明美は密やかに笑みを浮かべ、オレンジジュースを飲み込むのだった。
そうして楽しいティータイムを過ごし、一時間経った頃。
…なんか、暑いなぁ。
明美は、ある違和感に気付く。
妙に体が火照って、冬だというのに汗まで出て来る。
暖房の設定温度を間違えたかなと思いリモコンを見たが、設定温度は普通で高過ぎるという事もない。
洋服だってシャツにスカートだから厚着をしているわけでもなかった。
なんだろう…と思った次の瞬間、明美は信じられない体の異変に見舞われた。
急に心音が大きく速くなり、呼吸がハァハァと荒くなる。
「っ…?!」
頭は熱で浮かされるようにクラクラして、全身の血液が一カ所に集まっていく感覚に襲われる。
集まる血の行く先は…おへその下、つまり下半身だ。
その瞬間、明美は一つの可能性に気付いてしまった。
(私…もしかして、飲んじゃった…?)
自分が用意したアレを。
サーッと血の気が一気に引いていく。それでも体は熱く火照って仕方が無い。
媚薬は間違いなく良介のグラスに入れたはず。なのにどうして…?!
どうしよう、どうしよう。眠いと言ってベッドに横になってしまった方が良いのだろうか。
明美は混乱しながらも、ふらつく身体でなんとか立ち上がろうとした。
「明美ちゃん?どうしたの?!」
「あ…」
明美のただならない様子に驚いて、咄嗟に良介が身体を支えてくれた。
その瞬間。
「ッ!」
軽く腕に触れられただけ。それなのに一瞬で全身に甘い電流が流れ、嬌声を上げそうになってしまった。
明美は咄嗟に手のひらで口を覆う。
そうすると良介が心配そうに顔を覗き込んでくる。
「え、えっと明美ちゃん、大丈夫?具合悪い?」
その優しさに涙が出そうになった。
けれど明美の予想は確信へと変わり始め、心臓がどくどくと嫌な音を立てる。
「ね、ねぇ良介…ジュース、もしかして、私のと入れ替え…」
「ジュース?あぁ明美ちゃんのジュース、小さい虫が浮いてたから俺のと取り替えたけど、それがどうかしたの?」
「っ…!」
不思議そうに言う良介に、明美は「やっぱり!」と絶望的な気分になった。
本当にどこまでも優し過ぎる…ッ!でもそんなところが好き!と頭を抱えてしまう。
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