静か、だけれども止めることのできない感情が身体を彼方へと連れ去っていく…一つ下の男と重ねる逢瀬 (ページ 3)
彼は上体を起こし、私の両膝を立たせて思い切り開いた。
両手で内股を触れるか触れないかのタッチで触られ、快感で私の腰がゆらゆら揺れる。
その反応が面白いのか、彼が暗闇でうっすら微笑んだのが分かった。
感度を確かめるように内股を滑らしていた手は、いつの間にか一番敏感な箇所に来ている。
縦に沿って形を楽しむようになぞっていた指が急に中に埋め込まれると、今度は顔を埋め舌を這わせてきた。
「すごいよ、ここ」
中指で中を満たしながら、クリトリスを舌で嬲る。
私は今、死んでもいいと心から願う。
この瞬間以外何もいらない。
それを教えてくれたのは彼だった。
私の両脚はだらしなく開き、だらだらと愛液を垂らしている。
どのくらいそうされていたのかわからないが、しばらくすると彼がサイドテーブルの引き出しを開け、自身にゴムを付ける音が聞こえた。
「入れるよ」
返事をする余裕もない程、私はすでに彼で満たされている。
そんな体に彼の最後の欲望が押し入って来た。
簡単に飲み込んで、締め付けて離さない。
「きつい」
彼は額から汗を垂らしながら、苦笑気味に呟く。
私は上体を起こし、彼の首に腕を回して体を密着させる。
はぁはぁと、息を切らせながら彼も両腕で私を抱きしめ腰をグラインドさせた。
快感は子宮を通り越して、脳天まで貫き通す勢いだった。
彼は私をうつ伏せにし、後ろからも攻めた。
背中を優しく撫でながら、でも下半身は激しさを保ったままで、私は枕に顔を突っ伏して喘ぎ声をあげた。
激しく腰を打ち付ける彼の手をそっと握ると、意味を察したのか仰向けにしてくれた。
「顔見ながらしたい」
と、息も絶え絶えに言うと、
「俺も」
と呟いた。
「好き過ぎて壊したくなる」
と、耳元で囁かれ
「じゃあ遠慮なくやって」
と答えると、彼は残り全部の欲求をぶつけて来た。
私はもう何も考えられない。
彼の欲望が白い形を成して、吐き出された。
事が終わって静かな寝息を立てている彼を見つめながら、私は携帯で時間を確認する。
23:10。
私はさっきまでの自分を反芻しながら服を着る。
玄関先で彼の愛猫をひと撫でして部屋を出た。
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