寒くなるとやってくる彼。寒がりなくせに薄着な奴はぬくもりをもとめて布団の中に。 (ページ 3)
「いっちゃった?いい子」
こんなときだけ、瑞己は楽しそうだ。昇りつめてしまった私は、もう動く気力もない。ぼんやりとした頭で、瑞己が服を脱いでいる姿を見た。せっかくシャワーであったまったのに、また寒そうな格好している。瑞己はそのまま、私の唇をむさぼった。あついキスのあとに、瑞己が首筋に顔をうづめて、噛む。どこの動物のマーキングだ。
「芽衣はやさしい」
いつのまにか、私はトレーナーしか着ていなくて、素足と恥ずかしいところがすべて瑞己の前にさらけ出された。瑞己が胸をわしづかみにし、その頂を口で吸う。何をされても敏感な私はその刺激でさらに体がはねた。ことごとく、自分のいいところを知られてしまっていて悔しい。
「かわい」
強弱をつけて、舌でべろんとなめられたと思えば強く吸われて、甘噛みされて、快感に翻弄されていたら指がそろそろと下腹部で不穏な動きをする。あそこをこすられて。
「は・・・ぁんっ」
「・・・っあつ」
剛直が体をつらぬく。他の人の何て知らないけど、長くて太くて、内臓を押しのける圧迫感に息が詰まる。しかも、私自身が彼をきゅうきゅうに締め付けて、さらにはっきりする存在感に目がちかちかした。私の息が落ち着くまで待ってくれている瑞己だけど、苦しそうに眉間に皺がよって、息をつめる。気持ちよくなってくれると、うれしい。
「だい、じょぶ」
ことり、と首をかしげるしぐさがやたらとあどけない。
「うご、いて・・・ぁん・・・はぁっ」
ずん、と衝撃が体の奥まで響く。まだ奥に行けたのか。体の中をえぐられて、ひいて、またつかれる。熱い。自分の体も、瑞己の体も、つながっているところも、全てが。
「芽衣は?芽衣は、気持ちいい?痛くない?」
「ぁ・・・あんっ・・・はあぁ!」
話す余裕なんてないのに、瑞己がそう聞く。熱に浮かれたように激しく腰をぶつけてくるくせに、見える顔は不安そうで、こちらの反応をうかがっていて、ずるいと思う。
「い、い・・・いい、から」
「本当?芽衣、芽衣」
「瑞己・・・っ・・・いぃっ」
お互いに切羽詰まってくる。奥まで熱いものが突き上げてきて、ごりごりとえぐってくる。ひどい。気持ち良すぎてひどい。
自分が自分じゃなくなる、強すぎる快感に怖くなる。何かにすがろうとさまよう私の手を、節のない滑らかな手が握りしめて布団に縫い付けて来た。瑞己の手があたたかい。
「いって、芽衣、いって」
「ぁ・・・あ・・・あっ!・・・はぁぁああ!!」
「芽衣・・・ぁっ」
色っぽい瑞己の声が天井を背中に私を呼んで、それを最後に私は頭が真っ白になった。
「芽衣、かわいい」
そんなこと言われたら、怒れないじゃないか。疲れ切った体を横たえながら、私たちはまた、布団の中でくっついた。
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