厳しくも愛情あるシェフに激しく貪られる調理台の上の子羊
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厳しくも愛情あるシェフに激しく貪られる調理台の上の子羊 (ページ 1)
「千星、アミューズできたか」
「できました!」
厨房には色んな音が溢れている。
まな板の上で野菜を切る音、フライパンの中で魚をポワレにする音、ボウルのソースをかき混ぜる音。
「遅いんだよ。もっと、手際よくやれ!」
そして、シェフの怒鳴り声。
「すみません!」
「丁寧な仕事と、ちんたらする仕事は違うんだぞ!」
「はい!」
フレンチに魅せられてシェフを志したことは後悔していない。
だけど、味で修業先を選んだことは少しだけ後悔している。
「千星、ヴィヤンドの盛り付け、手伝え」
「はい!」
シェフの利人さんが作る料理は、恐ろしいほどに美味しい。
温かく繊細で、優しい味がする。
本人とは正反対。
わたしは毎日、利人さんに怒鳴られながら仕事をしている。
「ソースが等間隔じゃねぇ!やり直せ!」
「はい!」
「お前は緊張し過ぎなんだよ。もっと、料理を楽しめ」
すごく厳しい指導。
だけど、辞めたいと思わないのは、利人さんの言葉のどこかに愛情を感じるから。
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