お酒に酔った彼女が艶っぽくえっちに誘って来るから… (ページ 2)
「…ケチ。」
唇を尖らしてぶーぶーと文句を言う。
まるで駄々をこねる子供。
普段はクールな印象な彼女だけに、こんな表情は滅多に見れなくて可愛らしい、だが正直面倒な方が勝っている。
「ケチじゃねぇ、というかもう寝ろよ。」
駄々をこねる彼女を問答無用でベッドに運ぶべくソファに近づいて、抱き上げようと肩と腰に手を回す。
―!?
何が起こったのかと思えば、絢は器用に足を使ったらしく俺が上に覆いかぶさるようになっていた。
両腕を付いた状態で、間近に迫った彼女の顔を見下ろせば想像していたものとは違う表情。
偶然かと思ったがどうもそうではないらしいことが妖しく上がった口元から見てとれる。
「悠聖」
ひと文字ひと文字の間に意味ありげな間をおいて名を呼ばれ、リズム良く形を変える唇に釘付けになる。
誘っているようにしか見えない、というか誘っているのだコイツは。
普段とは比べものにならないほどの色香を放って。
いつもはしないような甘い香水の匂いがほのかに香る。
そしてこれも意図的にか唇も日頃より赤く、潤っている。
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