雨が降っていたあの日、私は人間のペットを飼い始めました。 (ページ 3)

「私……垂石君と、セックスしたい」

「うん。分かった」

突然、唇に柔らかい感触が当たった。え？　何、今の？　キス？　と頭の中がパニックになっている間に、履いていたショートパンツも下着も、たくし上げられていたＴシャツらも、全部脱がされてしまった。

垂石は私の足を開かせ、躊躇なく股の間に顔を埋めた。熱い舌が重なる襞に差しこまれる。はぁっと溜息が出た。

「あっ、あっ、垂石、君……あぁっ！」

垂石の舌が突起をつつく。ちょっと待って、と軽く頭を押すと、逃がさないとばかりにジュウッと吸われた。

「あぁっ！　いっ、あぁ……！」

剥き出しになったクリトリスを舐められて、私は軽くイッてしまう。

息をつく間も無く垂石の指が入ってくる。ペニスを入れられる時のように出し入れされ、中の気持ちよい所を的確に刺激してくる。もちろん、クリを舐める舌はそのままだ。

「もぉっ！　やめってぇ……！　おかしくなっちゃう！　あっ！　あぁっ！　また……イクッ……！」

ビクビクっと体が痙攣して、二回目の絶頂を迎えた後、垂石の舌が離れ指が引き抜かれた。

はぁはぁと荒い息をついていると、垂石がキスをしてきた。

「また……キス、した」

「駄目？　嫌だった？」

「だって、付き合ってない」

「ごめん」

「謝んないでよ」

謝られると自分が惨めに思える。鼻がツンと痛くなって目に涙が浮かんできた。

（謝るくらいなら、最初からしないでよ。）

自分から垂石にお願いしたことも忘れて、私は八つ当たり気味に言った。

「ごめん」

「だから！　謝らないでって――え？」

垂石の腕が私の頭をかき抱いて、ぎゅうっと力いっぱい抱きしめられた。

「え？　え？　何？」

「謝るなって言われたけど、ごめん。いろいろ、ごめん」

ぎゅうぎゅうと抱きしめられて苦しい。息ができない。

「苦しいよ、垂石君」

「ごめん。あのさ、この流れで言うのもアレなんだけどさ……好きです」

「……う、嘘だぁ。だって、垂石君。私に何も教えてくれないじゃない」

耳に飛び込んできた言葉が信じられなくて、思わず責めるように否定の言葉を返してしまった。

垂石は「あぁ～うん、ごめん」と、私の肩口に頭を押し付けながら申し訳無さそうに謝った。

「ごめん。それもちゃんと話すから。俺がどこの誰なのかも、どこから来たのかも。全部」

「何でゴミ捨て場にいたのかも言って」

「言う、ちゃんと言う。何でも言って。久美ちゃんの言う事なら、何でも聞くよ、俺」

お決まりの台詞を耳元で囁かれ、私はおかしくなってフフッと笑った。

「好き。好きです。久美ちゃん。……俺をペットから、彼氏にしてくれませんか」

「うん……」

お互いの唇が重なる。垂石の舌が私の舌に絡まる。柔らかくぬめった熱い感触に、さっき二度も絶頂を迎えたアソコがまた熱を持ってきた。

「垂石君、私……もう……」

広げていた足を更に開いた。ヒタッと垂石の亀頭が私の入口へ当たり、すぐにずぶずぶと入り込んできた。

垂石のペニスが深い所まで打ち付けられ、気持ちよさに目の前がチカチカと白くなる。

「あっ！　あぁあっ！　んっ、あっ！　た、垂石……君！」

「っ、久美ちゃん、すっごい、可愛い」

恍惚の顔の垂石が、また私にキスをする。何度も何度も「可愛い」とキスをする。

「あっ、いやっ、あっ！　も、もう……もう！」

「俺も……っ、んっ」

「あ……一緒に、あぁんっ、一緒に、イキたい！」

喘ぎの合間に何とか言うと、垂石はにっこり笑った。腰の動きが激しくなる。結合部からグチュグチュと二人の体液が混じりあった恥ずかしい音が聞こえる。

「あっ、あーーっ！　イ、イク――」

ガクンと体が揺れてすぐに、垂石のペニスが引き抜かれた。お腹に温かく白いものが散っている。

「ねぇ、垂石君」

熱い息を吐きながら、私は垂石の名前を呼んだ。

「お腹、拭いて？　それから、もう一回」

駄目かな？　と笑いかけると、垂石はちょっと驚いた顔をして、それからにっこり笑った。

「何でもするよ。だって俺は久美ちゃんの――」

今日から、私のペットは彼氏になった。