薄暗い書庫、そこが私たちの逢瀬場所―…本の森で交わされる優しい悦楽 (ページ 4)

「はぁ…っ…」

必死に声を我慢していたら、カイ君が急に動きを止めた。

「足音したかも」

「嘘…」

慌てて体を離して立ち上がる。

「リコさん、こっち」

カイ君がさらに奥の書架の陰に私を引き込んだ。

足音が近づいてくる。

どうやら真上の中二階に人がいるようだ。

中二階とは吹き抜けの階段で繋がっているから、いつこっちに人が来てもおかしくない。

そんな状況なのに、カイ君は分身を私のお尻に擦りつけてくる。

「カイ君…まずいよ」

「大丈夫だよ。こっちには来ないって」

確かに古い論文のコーナーを使う人は少ない。

「奥までは見えないし、リコさんが大きい声で喘がなきゃ平気だよ」

カイ君は私のブラウスのボタンまで外した。

ブラがずりあげられ、乳房がこぼれる。

「声、出したら、恥ずかしい格好を見られちゃうからね」

「待っ…っっ!!」

立ったまま、カイ君は私の中を侵した。

「ふ…ぅ…っ」

声を殺して、律動を受け入れるしかない。

「リコさん、いつもより濡れてるし、めちゃくちゃ締まってるよ」

首を振って否定したけれど、本当は自分でも感じていた。

いつもより気持ちいい。

「見られるかもって思ったら興奮したんでしょ」

意地悪な囁きに、私が首を振るよりも早く内側が反応した。

「締め過ぎ…」

カイ君が苦笑する。

「一緒に、イこう?」

優しい声が耳に触れた。今度は首を縦に振る。

「ぅう…はぁ…!」

カイ君の手が胸と淫核に伸びた。

快感が何倍にも膨れ上がる。

「リコさん…好きだよ…」

律動が激しくなって、目の前がチカチカした。

「ぁ…カイ君ッ…いっちゃうぅ…」

「俺も…いく…ぅ!」

「んんっ…ぁ…ぁ!!」

カイ君が私の最奥を突いた瞬間、大きな波が押し寄せた。

「もう、戻るの?」

服を整えていると、カイ君が切ない声を出した。

「そんな顔しないの」

「俺、リコさんと一時間でも離れるの嫌だ」

ぎゅっと抱きつかれると、仕事に戻りたくなくなる。

「うちで待つ?」

「いいの?」

「いいよ」

「借りた本、読んで待ってるから、早く帰ってきてね」

本の森の中、私たちは密やかな約束とキスを交わした。

-FIN-

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