【彼目線】飲み会から帰宅した彼女に翻弄される。無口な彼だけど心の内では彼女を溺愛しているのです。 (ページ 2)
「帰るよ。」
「ん。・・ごめんなさい。」
さっきの浮かれた表情とは一変して、下を向いたままの菜奈の頭を撫でた。
「気分は?」
「大丈夫。」
「歩けんの?」
「うん。へいき・・うわっ」
へらっと笑った瞬間、がくんと膝から倒れる菜奈をとっさに抱きかかえた。
「ごめん・・」
「飲み過ぎ。」
「うん。ごめん。」
しゅんとしながらも、寄りかかってくる菜奈を支えて部屋に戻った。
部屋に上がるなり、力尽きたように玄関でへたっと座り込む菜奈の腕を支えた。
「なに、立って。」
「・・ここでいい。眠い。」
菜奈は安心したのか、瞼を閉じて廊下の壁にもたれ掛かって座り込んだ。
「酒くせーし、煙草くせー。風呂入れてやるから立って。」
「んー・・。」
瞼を開けようとしない菜奈に溜息をついてから、肩に担いで風呂場へと連れて行った。
風呂場についてから、服を脱がせようと手を掛けたら、
「やだ。眠いの。ここで寝る。」
と子どものように駄々をこねる菜奈をあやしながら風呂に入れた。
普段は比較的しっかりしている菜奈のこういう姿は中々見れないのもあって、可愛さ半分面倒臭さ半分で対応している自分に笑えた。
ベッドに菜奈を運んでから、少し離れた所で煙草を吸っていると、
「大輔、・・寝ないの?」
布団に包まって、とろんとした目つきで菜奈がこっちを見てくる。
誘うような目つきの菜奈を見ると、どうしてもいじめたくなってくる。
「先に寝てていい。」
「・・やだ。一緒に寝たい。」
予想してなかった素直な誘いに、目を見張った。
と、共に俺の加虐心にいよいよ火がついた。
「一緒にしたい、じゃなくて?」
菜奈は一瞬目を見開いてから、シーツを手繰り寄せて消え入るような声で言った。
「・・うん。したい。」
あ、ヤバイ。反応するわ、これ。
相手は酔っ払い。菜奈は、飲みすぎると大概記憶がとぶ。今日のこの感じは絶対そのパターン。
れそれを知ってて、やっちゃったら、いくらなんでも罪悪感しか感じねーわ。
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