とても優しいのにいやらしい、先生と複雑な関係
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とても優しいのにいやらしい、先生と複雑な関係 (ページ 1)
「今日は無理って言ってるゃん。」
一言そう言われて切られた電話。
怒りよりもなによりも虚しさが込み上げてくる。
「なんなの、もう。知らないから」
彼が浮気してるのは薄々気づいてた。
仕返し、なんて言ったらそれまでだけど、私と同じ気持ちを彼に分かってほしかった。はじめは、ただ、それだけだった。
最近は彼のよりもかけ慣れてしまった番号。
「久保先生?仕事終わりました?」
「昨日から夜診で、しんでた。なに?来る?タクシーでおいで。待ってるから」
惨めな私の心にすっと入ってくる優しい声。
同じ職場で出会ったお医者さん。
はじめは、それだけだった。
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