快楽を求める貴方と偽りの愛を求める私の一夜限りの夢 (ページ 5)

歯を立てないように懸命に舌を動かしたて舐め上げると夏樹の甘い吐息が聞こえる

「はっ…」

見上げると、眉を寄せてうっとりとした表情を浮かべる夏樹と目が合う。

「はぁ…もう、やばいって…」

息を乱す夏樹が私の頭を掴んで、激しく腰を揺らす

『んぅ…ぐッ…んん』

「…あいつフェラ嫌がるからさ…ッ…こうやってやってみたかったんだよね…はッ…」

“アイツ”と呼んだ夏樹の中には

こんな時ですら彼女の存在が支配しているのだと思うと、それがどうしようもなく悲しくなった

そんな切なさを搔き消したくて、夏樹の体をグッと押して腰の動きを止めた。

『もう、挿れて？』

私の言葉にニヤリと笑って自身を中へとねじ込む

『やあぁぁあぁぁあぁ』

「やっば…ッ」

いきなり始まる激しい突き上げに体が大きく揺さぶられる。

肌と肌のぶつかり合う音と、結合部から鳴る水音、二人の甘い声が静かな部屋に響く。

『んっ…あっ…んあっ、あぁっ！』

「…ッ…あんな事言うからよっぽど遊んでんのかと思ったけど、莉子ン中どんだけ狭いんだよ…」

『ぁあ、夏樹…やぁ、はぁ…ん、ぁ』

「…は…ッ」

快楽を求める貴方と

偽りの愛を求める私。

同じようで、決して交わることはないふたつの想い

それでも

今こうして繋がっている今だけでも

夏樹が私を見てくれるなら

そこに愛がなくても構わない