土砂降りの中行き倒れている青年を助けたら…吸血鬼にお風呂場で食べられちゃう (ページ 8)

「……良いのか? 我は吸血鬼。お前たち人間からしてみれば、化け物にも等しい存在だろう?」

思案気な瞳に見下ろされ、自分の本心を悟った恵美は、自信たっぷりの笑みを浮かべて背伸びをし、薄い唇にちゅっと音を立てて口づけた。

「貴方みたいに綺麗で礼儀正しい化け物なら、むしろ大歓迎よ。私は恵美。貴方の名前は?」

「ギルバートと呼んでくれ。……恵美か、良い名だな」

「ふふ、ギルバートね。……自分でもびっくりしてるの、私ね、」

貴方に一目ぼれしちゃったみたい。

恵美はそう悪戯に笑んで、きょとんとするギルバートにもう一度口づけて見せた。

-FIN-

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