土砂降りの中行き倒れている青年を助けたら…吸血鬼にお風呂場で食べられちゃう (ページ 7)

絶頂の余韻に体を震わせながら、しばらく体の温もりを分け合う。

ようやく落ち着いたらしい恵美の体を反転させ、青年は改めてその体を確かめるように包み込んだ。

「ありがとう、お陰で満腹だ……辛くないか? 何やら異変があったり、苦しかったりはせんか?」

「だい、じょうぶ……こんなに気持ちいいの初めてで、ちょっと疲れちゃったけど」

「そうか……血をもらう代わりに、我らは人間の色欲を満たすようになっておると、説明せんだな。お前に満足してもらえて、我も嬉しい」

子供のような笑みでそう言われ、顔が赤らむのを感じながら、恵美も微笑んで見せた。

「すまなんだな、突然押しかけて、血までもらってしまって」

青年はそう言ってそっと恵美の体を離すと、ひょいと円を描くように指を動かした。

それだけで、風呂場にあったはずの下着や床に落ちていた服がふわりと浮き上がり、恵美の体を包んでいく。

水気まで飛んでいるらしく、心地いいそれにほっと息をついた恵美に、青年は正面から向き直った。

「すごい……」

「ふふふ、空腹でさえなければ、こうして魔法も使えるのだ。これくらいは朝飯前だぞ。しかし困ったな、お前の血を吸った後では、他の人間の血など不味くて受け付けぬかもしれぬな……」

端正な顔に苦笑を滲ませながら、頭を優しく撫でられて、恵美の口が勝手に開いて、自分でも驚くことを口走った。

「なら、こっちに来てくれたらまた吸わせてあげるわ」

思ってもみなかった台詞に、言った本人である恵美も目を見開いたが、青年はそれ以上に驚いたようで、目を真ん丸にして固まった。

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