土砂降りの中行き倒れている青年を助けたら…吸血鬼にお風呂場で食べられちゃう (ページ 6)
人間とは違う、鋭く尖った大きな犬歯を恵美の肌に当てると、……一息にその薄い皮を、貫く。
ぶつりと皮が破られる感触の後、じゅっと音を立てて血を吸い上げられ、頭がぼうっとしてくるのを感じると同時、ジンジンと痺れるような感覚が体を走り始めた。
「あ、ぁ、ぁあああっ……!!」
それはまぎれもなく、深く強い快感だった。
あまりに激しいそれに、思わず背骨が反り返るが、動くなと言わんばかりにぎゅうと抱きしめられ、悦楽を逃すことすらままならない。
「ひぁっ、やぁあぅ!! やらぁああっ!! ふぁああああンっ!!!」
「ん、はっ……!!!」
夢中で血を吸い上げているらしい肩口の頭を無意識に撫でまわしながら、胸に回る腕に縋りついて体を跳ねさせる。
貧血なのか、それとも絶頂が近いからなのか、だんだんと頭が白んでいき、深いところから何かがせり上がってくる。
つうと肩から胸に滑り落ちていく自分の血にすら、快感を見出して体が跳ね上がった。
「やらあああっ、イ、ちゃぁあ……!! イッちゃう、イッちゃ、あ、あっあああぅ、ふぁああっ、はぁああああンっ!!!!」
びくびくびくびくっ!!!と体を強張らせ、恵美は絶頂を迎えて甘く叫んだ。
ぐったりと自分に体を預ける恵美からそっと唇を外し、僅かに残った傷口の血すら残したくないと言わんばかりに舐めとって、青年は満足そうに息をつく。
「美味かった……ここ100年は味わえぬ、珍しいほどに美味な血だったぞ」
愛おしそうにそう囁いて、そっと恵美の首筋に頬を擦りつけながら、青年はもう離したくないと言いたげに恵美の体を抱きしめた。
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