土砂降りの中行き倒れている青年を助けたら…吸血鬼にお風呂場で食べられちゃう (ページ 4)
威圧感のある口調で脅しかけることもできるのに、弱々しくも聞こえるそんな言葉で懇願され、恵美はうっとりしながら頷く。
嬉しそうに目を細めた青年は、白い唇をそっと恵美の、桜色の唇に重ねた。
生ぬるいそれと自分の冷えたそれが合わさりだんだんと暖められていく感覚に、恵美の瞼が勝手に落ちる。
唇を割り入ってきた、同じくぬるい舌が歯列をなぞり、開けてくれとでもいうふうに前歯をつるりと撫でていく。
おずおずと口を開くと、深くまで入り込んで引っ込んだ恵美の舌を絡めとり、引き出す。
「んっ、ふ、んんぅ……ふぁ」
舌や唇が痺れるように快感を訴え、思わず甘く喉が震えるのを感じながら、恵美は夢中で青年に答えた。
くちゅくつと扇情的な音が、風呂場特有の響きを孕んで耳から入り込み、恵美の脳髄をどんどん融かしていく。
しばらくそうして唾液を交歓しあった後、柔らかい唇は名残惜しげな銀色の糸を引きながら離れていった。
唇が頬に降り、瞼に降り、鼻に降り、やがて首筋へと下がっていく。
「あ、んっ、んん……ふ、ぅんっ……」
まるで愛おしむようにゆっくりと首筋をなぞられ、甘い声がぽろぽろと唇から零れては弾ける。
唇に夢見心地になっていると、優しく胸を包み込んだ手のひらが、やわやわと動き始めたのを感じて体が跳ねた。
「ふぁっ……!!」
「敏感なのだな……愛らしい娘だ」
愛でるように柔らかく膨らみを揉みながら、もう片方の手でボタンが外されていく。
深くて優しいキスと、胸への愛撫、そして何よりこちらを熱っぽい視線で見つめる赤い瞳に、くらくらと翻弄されながら必死に応えた。
そうしているといつのまにかボタンがすべて外され、ぱさりと音を立ててジャケットとブラウスがタイルに落ちる。
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