浮気かはたまた別れ話か。不安な気持ちを抱えながら帰宅した俺を出迎えたのは… (ページ 2)
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結局何も変わらないまま一ヶ月が過ぎ記念日当日を迎えた。
“はぁ・・・ 今日も会えねぇのかな・・・せっかく記念日だってのに。”
出社したものの仕事も手につかないままそのことばかり考えていた。
昼休み、えみからLINEがきた。
《今日よしくんの部屋で待ってるね》
そうだ。
いつでも会いに来てって合鍵渡してたんだっけ。
《わかった。》
午後からは猛スピードで仕事をこなしどうにか定時で上がることに成功した。
LINEを見た瞬間は嬉しかったがよくよく考えてみるともしかして・・・別れ話なんじゃないか?
自宅のドアの前で深呼吸をし意を決してドアを開けるとなにやらいい匂いがする。
“・・・?”
リビングのテーブルの上には料理が並んでいた。
“何だ これ・・・”
テーブルの前で固まっているとキッチンからエプロン姿のえみが現れ
「一年記念!おめでとう!よしくん!おめでとう!私!」
と満面の笑顔で言った。
「・・・何やってんの?」
突然のことで全く理解ができない。
「何って・・・料理だけど・・・いけなかった?」
「いや・・・そうじゃなくて。別れ話・・・じゃなかったの?」
「へ?どうして?」
俺の反応に意味がわからないといった顔をしているえみに嘘に気付いていたことを説明した。
聞き終わったえみは
「なんだぁ。ばれてたのかぁ。」
と一言。
「よしくん、和食好きって言ってたでしょ?美味しい手料理作ってあげようと思って料理教室に通ってたの。」
・・・・!
照れからかそっぽを向いてごにょごにょ小さな声で話すえみを力一杯抱き締めた。
「はぁ・・・なんだよぉ。俺避けられてるのかと思って・・・今日も別れ話だとばっかり・・・」
「どうしてもサプライズで喜ばせたかったの。内緒にしててごめんね。」
俺の腕の中で申し訳なさそうに謝るえみがとても可憐しい。
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