最中、
外から途切れに途切れに聞こえてくる会話に意識がいった。
ー
「…今日の神崎さんって素敵だったよね。あの堂々とした口ぶり、出来る上司って感じ。普段はちょっと怖いけど」
「あんた狙ってんの?彼狙ってる女子社員多いよ。それに…付き合ってる人いるって噂」
「うそ、だれ?」
「噂だよ。誰かわからないけど…」
その女の子たちの会話は今の私の耳にはちゃんと届かなかった。
なぜならー
「…口封じ」
彼がそうやって私の唇を塞ぐから。
クチュクチュ…
その怖くて素敵な上司が仮面を脱ぐと、こんなふしだらな事だって涼しい顔してやっちゃう悪魔。
それは、
私しか知らないー。
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