夫に官能小説を書いていることがバレて妄想を具現化される夜

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夫に官能小説を書いていることがバレて妄想を具現化される夜 (ページ 1)

「小説ってこんなえっちなの書いてたんですね」

仕事から帰ってきたばかりの彼は、わたしを後ろから抱き寄せて椅子に座る。

必然的に膝の上に座らされたわたしは、もう顔から火が出てしまいそうなほどの羞恥に襲われていた。

あぁ、ばれた…ばれてしまった…。

愁はパソコンのディスプレイを次々切り替えては小説に目を通していく。

それらは全てわたしが書いたもの、さらにいえば全てが官能小説と呼ばれる類のもので。

「も、もう勘弁してください…」

「…」

「じっくり読むのやめてよ…」

穴があったら入りたいとはまさにこの事だった。

残念ながら穴はないので苦し紛れに両手で顔を覆う。

そしてしばらくの間静かに文字を追っていた彼は、おもむろにわたしの手を取ると…べろりと指を、舐めた。

「!」

右手の親指から始まったその行為は、人差し指、中指、薬指…

そして小指へと続き、その頃にはわたしも小説の内容と同じく息が上がってしまっていた。

「あの、愁さん…な、な…なに…、を…」

「…こんな話を書くって事は、志乃さんは私にこういう事して欲しかったんですよね」

「ち、ちがっ」

皮膚の薄い水かきの部分をかりっと噛み付かれて身体が跳ね上がる。

「…こら志乃、動いちゃ駄目」

無邪気にくすくすと笑う様はとても愛おしいはずなのに、こんな笑い方をしている時の愁は邪気の塊といっても過言ではないだろう。

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