好きだった彼と同窓会を2人で抜けだして…再会ラブ (ページ 3)
翌朝目がさめると、彼が心配そうに覗き込んでいた。
「ごめん、俺、ほんとはちゃんとしたかったのに、こんな形になっちゃって」
好きだった彼とひとつになれただけで満足していた私は、突然の謝罪に思わず面食らった。
「ちゃんと、って……?」
なんとか問いかける私に、彼はベッドの上で正座し、まっすぐな瞳で言った。
「今更だけど、言わせてほしい。俺、由紀のことがすきだ。あの時からずっと」
「えっ、」
「それで、連絡先だけでも訊こうと思って、でも、酔った由紀があまりにも可愛くて、気づいたら連れ出してて。由紀の気持ちも確かめずに、ごめん」
突然のことに、思考が追いつかない。
これってつまり、両想いだったってこと…?
「私も。私も、琉斗のこと、すき。前からずっと」
十年越しの想いが、口から溢れる。
すると、彼の申し訳なさそうだった顔が一気にほころんで、お日様みたいな笑顔になった。
「だから、これから、よろしくお願いします」
おずおずとそう言うと、琉斗は私の頬にキスをおとした。
その仕草は、昨晩の行為とは打って変わって、なんだか初々しくて、まるであの時に戻ったみたいだった。
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