好きなのは私だけ…じゃなかったの!?嘘の理由で別れようとしたら突然拘束されて…! (ページ 4)
気を抜くと快楽に蕩けそうになる表情をギッと引き締めて、私はクロガネくんを睨みつけた。
「っ…!!」
すると一瞬驚いたような顔をして、直後苦虫を噛み潰したような顔になったクロガネくんが、私の浅いところに挿入れたままでおもちゃの出し入れをやめる。
「そんなに、そいつのことが…!!」
「ッひ、ぎゅ…ッッ!♡♡」
クロガネくんがそう呟いたかと思うと、私のナカのおもちゃ──バイブがぶるぶると振動しだして。
予測していなかった刺激に、クリトリスを裏側から震わされるようなそれに、私はまたバチンと視界を白く点滅させられた。
けれど今度は止まってくれなかったクロガネくんは、振動するバイブをナカの浅いところからクリトリス側にぐりぐりと押し付けながら、これまで聞いたことのないような、脅すような声で私に叫ぶように告げる。
「俺のことが好きだったんだろう!なぜ俺だけで満足しない!なぜ、俺だけを好いていてくれない!」
「っあ、っぁあ、きら、ぃっ、きらいっ!♡♡」
「なっ…!?いい度胸だな、チハル!」
「ッだって!!っん、だっ、て、クロガネくんは、っふ、わたしの、ッこと、なんてっ、すきじゃない、くせに…っ!!」
「──…は?」
私が声を振り絞って告げた言葉に、クロガネくんはピタリと…いや、ピシリと動きを止めた。
「ま、て。…それは、どういうことだ…?」
先程まで散々私を苦しめていたバイブをあっさりとナカから引き抜いて、クロガネくんは私に問いかけてくる。が、どういうことも何もない。
「…わた、私がどれだけクロガネくんのこと好きでも、クロガネくんは私のこと好きじゃないくせに……なのに、やっと踏ん切りがついたと思ったら期待させるようなことばっかり言って…!」
言葉と一緒に、涙もぼろぼろと溢れ出る。さっきまでも涙は出ていたが、そういう生理的なものとは違う。悲しくて悔しくて、虚しいから出る涙だ。
「…好きじゃないと言ったことはない」
「言ってないだけじゃん!っどうせ、どうせ今は付き合ってくれてても、面倒になったら簡単に捨てるんでしょ!…わかってるけど、……わかってたけど…!」
怒りというものは凄まじいもので、私を呑み込まんとしていた快楽すらも容易に食い殺して、私の口からとめどなく流れ出ていく。
「…言ったら」
と、クロガネくんが小さく口を開いた。
「言ったら、別の男のところに行かなくなるのか」
「好きじゃないのに、言うの?」
「違う」
「何が」
「…求められなかったから、わざわざ口に出さなかっただけだ」
え。それっ、て。
「…何を」
期待しそうになる自分を抑えつけて震える声で問いかけると、彼はたっぷりと沈黙して、それから私の耳元に唇を寄せて、小さな、けれどはっきりとした声で、告げた。
「…愛してる」
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