義理の兄は彼氏と別れたばかりの私を、昔から好きだったと言いながら押し倒す (ページ 2)
友紀くんの家から逃げるように帰ってきて、1か月後。
私はまた友紀くんの家に来ていた。
今度は愚痴を聞いてもらうためではなく…。
「振られちゃった」
慰めてもらうために。
「どうして振られちゃったの?」
「もう…ひぐっ…私に、疲れたって…」
「そっかあ、ひどい奴だね」
友紀くんの大きな胸に飛び込み、抱きしめてもらいながら私は涙を流す。
喧嘩はたくさんしたけれど、彼氏のことは大好きだった。
頑張って長続きさせたかったけど、だめだった。
これから大学卒業に向けて忙しくなるし、彼はもう私と長くやっていくつもりはないようだった。
「美晴はこんなに可愛いのに、見る目がないなあ」
友紀くんは大きな手で、ゆっくりと優しく私の頭を撫でていく。
それがとても安心できて、たくさん泣いて乱れた私の呼吸はだんだんと落ち着いてくる。
「それ、はっ…ううっ…友紀くんの、おにいちゃんっていう視点があるから、でしょ…」
「ううん、違うよ」
友紀くんの手が私の頭を撫でるのをやめる。
そっと私の両頬を持つと、友紀くんは視線を私と合わせるように顔を持ち上げた。
「俺は昔から、美晴のことを妹じゃなくて、女の子として見ていたよ」
「…え?」
「ずっと、好きだったんだ」
そう言って、友紀くんは私の唇へ唇を当ててきた。
何が起きたかわからない私は、そのまま動けずにいた。
「…彼氏ができたとか、喧嘩したとかどうとか、そんな話を聞かされるのは毎回つらかったよ」
すり、と友紀くんの手は、私の耳の縁を撫でる。
もう片手で首筋を撫でるその触り方が優しくて、思わず肩をすくめてしまう。
「でも…そろそろ遠慮しなくていいかな。家を出て、俺は仕事もして、美晴とは良好な関係を築いてきたわけだけど…」
なんとなく身体は離れた方がいいという気がしていて、友紀くんから距離を取ろうとしていた。
でも、そんなことできるはずがない。
友紀くんにしっかりと抱きかかえられた私の身体は、そのままソファへと押し倒された。
「もう、我慢できないや」
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