親を助けるために78歳の老人に差し出された20歳の美しき旧家の令嬢。 (ページ 2)

 自室のバスタブに浸かりながら、環はぼんやりと窓の外の月を眺めていた。

「環様」

 すると、環よりも2歳年下の執事が、大判のタオルを手に入ってきた。

 環が背中を向ける。

「真人、お客様は」

「皆様お帰りに。旦那様も、お休みになっておられます」

 あれから、さんざん男達に嬲り尽くされ、途中からは媚薬まで嗅がされて派手に乱され、気がつけば精液まみれの裸のまま、ただ一人大広間に転がっていたのであった。

「おいたわしい…あんな成り上がりのジジイにこのように汚され、傷つけられ…」

 真人がタオルを広げると、環はバスタブから背中を向けたまま立ち上がり、タイルの上に下りた。

 その体にタオルを巻きつけ、真人はそのまま抱きしめて環の肩に顔を埋めた。

「悔しい…環様」

 孤児の真人は環の実家に幼い頃に拾われてから、環の側仕えとして実家の執事に教育され、影のように付き従って生きてきた。

「軽蔑していることでしょうね、私を」

「環様…」

 真人の手が、環の乳房をタオルの上から優しく包んだ。

 紳士達の手で乱暴に扱われたその柔らかな肌には、ミミズ腫れが縦横無尽に走っている。

 タオルの上から、親指と人差し指で乳首を軽く摘むだけで、ぶるりと環が膝を震わせた。

「消せるものなら、あの男達の爪痕を消してしまいたい」

「…私が、消してみせます」

 遠慮がちに指の腹で撫でるその動きは羽毛の如く、環の心を軽くした。

 頸に口付けられながら、真人の指は下腹の丘を下り、やがて茂みのないつるりとした秘境に至る。

 しかし、恥じらうようなその指は、決して無遠慮に沼を波立たせるようなことはしない。

「お嬢様は誰よりも気高く、美しゅうございます」

 美しくなどない。

 初夜の晩には、媚薬入りの酒を飲まされ、朦朧とした意識の中で玩具で穢された。

 あれから、晒し者になる直前には必ず、媚薬入りの茶を飲まされる。いや、飲まなくては、我を失わなくてはとても生きていられない。

 だが今は、生まれたままの心と身体を真人に委ねている。

「真人…あ…いつのまに、お前、女を…」

 腰骨を撫でられ、環の太ももを秘部から溢れた液が伝っていく。

「私には、お嬢様だけで…女は、環様だけです…」

「可愛い事を…」

 焦れてきたように、環が真人の指をそっと掴み、自ら秘部へと誘った。

「ああ、熱い…お嬢様の涙が、溢れているようだ…」

 長細い指を秘壺に沈め、関節を駆使して柔らかく内壁を探る、と、環の好きな場所を指先が撫でた途端、ピクッと環が肩を震わせた。

 華奢で無駄な肉のない背中がしなる。

 バスタブの淵を両手で掴む環の、突き出した細い腰がうねり、小さな唇から切ない吐息が漏れる。

 とっくにいきり勃っていた己を、真人は後ろから環の入り口に当てた。

 ツツ…と真人のモノに環の涙が伝う。

「環様」

 名を呼ぶと同時に、真人が環の中にヌルリと押し入った。

「ああ…」

 肉をかき分けるように奥へと進むと、環が腰を震わせて逃げようとする。その細い腰を両手で掴み、真人は思い切り引き寄せた。

「んあっ! 」

 思わず甲高い声を上げて、環が顔を上向ける。

 既に柔らかく絡みついて迎え入れる環の秘部に従い、真人は探るように腰を使い始めた。

 まだ環しか女を知らない若い執事のそれは、ぎこちないが愛に溢れ、あの切り裂くような悦楽とまで行かないまでも、環を羽化登仙へと導いてくれる。

 この、ぎこちなくあどけない律動が、環には愛しくてならなかった。

「環様、環様…」

 腰を使いながら環の名を呼び続け、やがて環が達するよりも先に、真人が中で果ててしまった。

「す、すみません…環様が美しすぎて…」

 環は、自分の中から抜き去り萎れてしまった自身を恥ずかしげに隠す真人を、しっかりと抱きしめた。

「いいえ、いいえ、幸せでしたよ…有難う」

 媚薬によって強制的に作り出された快楽しか知らない環の体には、確かに真人の愛撫は物足りないのだが、間違いなく肌を合わせ、肉を分かち合った感触は残る。

 それでいい…環は自ら体の中の炎を消した。

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