既婚者と不倫関係にあるけれど、いつ終わるかわからない幸せを感じたい (ページ 4)

「あぁんっ! あんっ! あっ、晃司さんっ…晃司さんっ…!」
「はあっ…俺はここにいるよっ…」
「晃司さんっ、好きっ…すきぃっ…!」

晃司さんはだんだんと腰を動かす感覚を速めてきていた。
言葉もなく、ただただ快楽を得るために動く身体。

私も意味のない言葉ばかりを叫び、晃司さんにとにかくしがみついていた。
そうして興奮が高まりきると、私たちは絶頂目前だと感じ取る。

「もっ、だめっ…! またっ、またイくっ、イッちゃいますぅうっ!」
「いいよっ、俺もっ…一緒にイくからっ…これで、最後っ…!」

晃司さんの腰が少しだけ強く押し付けられて、何度かピストンを繰り返して、それから一番奥で動きを止めた。

「あっ…! イっ…!」

晃司さんの腰に足を回して、私は絶頂を迎えた。
同時に晃司さんも私の奥で果てたようで、身体をビクビクと震わせている。
スキン越しではあるけれど、熱いものが私の中に放たれているのを感じていた。
幸せの熱。私が晃司さんと一緒にいるための意味。

「はあ…はあ…気持ち…よかったあ…」

ぼんやりと呟くと、晃司さんは俺も、と返してくれた。
しばらくして晃司さんがゆるゆると腰を動かした後、腰を引いていく。
中途半端に服を着たまま行為をしたせいで、汗だくになってしまっていた。
それらを床へと脱ぎ落とし、私たちは裸になって横になる。

「美沙ちゃん」
「…なんですか?」
「可愛かったよ」

不意に声をかけられたものの、期待した言葉はもらえない。
わかっている。私は晃司さんから言ってほしい言葉を、もらうことはできないのだ。
少し残念に思いつつも、私は横に寝転ぶ晃司さんの指を握る。

「私も…晃司さんがかっこよく見えました」
「今だけ?」
「いつも…思ってます」
「そう? それじゃあ、もっとかっこいいところ見せちゃおうかな」

そう言って晃司さんは、再び私へと覆いかぶさってくる。
私はそれを受け入れ、またいつ終わるかわからない幸せに酔いしれるのだ。

私が手に入れたいものは、目の前にあるのにどうしても手に入らない。
それでもいい。今この瞬間に、私の手の中にあるのならば。

-FIN-

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