家で帰りを待ってくれていた彼が、疲れた私にマッサージをしてくれると言ったけど…!?

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家で帰りを待ってくれていた彼が、疲れた私にマッサージをしてくれると言ったけど…!? (ページ 1)

絶妙な力加減で凝った肩をぐっと押され、思わずため息が漏れた。

「はー…瑞樹、才能あるよ。気持ちいい…」
「うわ、小春さん肩カチカチ。定期的にマッサージ行った方がいいよこれ」
「んー連勤に残業続きで行く時間全然なかったからなあ」

なんとか仕事の繁忙期を乗り越え、連日の出勤と残業からやっと解放された夜。
帰宅すると年下の彼氏の瑞樹が帰りを待ってくれていた。

瑞樹が作ってくれたご飯を食べ、お風呂も済ませたところで大変だった業務を乗り越えたんだなあという実感がようやく湧いてきた。
瑞樹が健気に労ってくれたおかげもあるのかもしれない。

よほど疲れた顔をしていたのか、お風呂上がりの私の顔を見て瑞樹はちょっと笑ってから「マッサージしてあげる」と魅力的なお誘いを口にした。
もちろん断る理由なんてない。
私は喜んでお願いして、リビングのカーペットに座り、瑞樹も私の後ろに座って肩を揉んでくれていたはず、なのだけれど。

「…ちょっと、瑞樹くーん?」
「えへ」
「えへ、じゃないよ。どこ触ってるの」

しばらく熱心に肩を揉みほぐしてくれていた手が、いつの間にか胸に伸びている。
癒やしてくれるんじゃなかったの。
胸の膨らみを覆う大きな手のひらを、たしなめるようにしてぺしん、と軽く叩くと瑞樹が「ごめんごめん」と軽い調子で謝った。全然悪いと思ってなさそう。

「小春さんに会うのも久々だし、触れられるのも久々だったから」
「うん…そうだね」
「小春さんも俺に会いたいなーって思ってくれてた?」

それは、もちろん。会いたかったに決まっている。
こく、とうなずくと後ろで瑞樹がうれしそうに笑うのがわかった。

どんなに仕事が忙しくても瑞樹のことを思い出していたし、むしろ忙しいからこそ普段よりもずっと恋しく思っていた。
瑞樹も同じ気持ちだったんだ――そう実感するとなんだか胸の奥が温かくなる。

「ね、もっと触っていい? 小春さんのこともっと気持ちよくしてあげたい」
「もう、それどっちの意味なの」

どっちかなあ、なんて楽しそうに瑞樹が言う。

胸に触れている瑞樹の大きな手を意識してしまうともうだめだった。
私だって、ずっと触ってほしいって思ってた。

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