幼馴染の恋愛相談に乗るだけのつもりが、なぜかセックスの練習に付き合うことになって…
キャラクター設定
登場人物をお好きな名前に変更できます。
milkyに掲載の小説は当サイトが契約した作家によるオリジナル作品であり、著作権は当サイトにて保持しています。無断転載、二次利用は固く禁じます。不正な利用が確認された場合、法的措置を取らせていただきます。
幼馴染の恋愛相談に乗るだけのつもりが、なぜかセックスの練習に付き合うことになって… (ページ 1)
大学生の夏休みは長い。
私は朝も早くから幼馴染の瑞樹の家に押しかけて、今話題の対戦ゲームに夢中になっていた。
ここまでの戦績は、なんと0勝20敗。ものの見事な惨敗だ。
瑞樹はいわゆるゲームセンスの塊というやつで、どんなゲームでも上達するのが信じられないほど速い。
さすがに0勝のままでは大人しく引き下がれない私は、かれこれ何時間も瑞樹に挑み続けていた。
「やぁーっと勝てたぁー!」
モニターの右半分、つまり私が操作している2P側の画面に、ついにWIN!の文字が浮かぶ。
「瑠花ってこういうゲーム本っ当に下手だよな」
「頭使うやつはあんまり得意じゃないのー!普通に戦うやつだったら瑞樹ともいい勝負できるんだけどな」
呆れ顔の瑞樹にそう言い返しながら、手元のコントローラーをカチカチと操作する。
「瑠花が勝てるまでやってやっただろ。一旦休憩」
「はぁーい」
私と瑞樹は、幼稚園のころからの付き合いだ。
小中高はもちろんのこと、学部は違うけど大学まで同じで、「ここまで進学先が一緒になるとは思わなかった」と先日瑞樹と話したばかりだった。
こうやって私が瑞樹の家にお邪魔して、日がな一日ゲームに明け暮れる。
これが、子どもの頃からお互い一人暮らしを始めた今までずっと続いている、長期休みのいつもの光景だった。
*****
「なあ、瑠花ってさ。最近彼氏とどうなの」
「…どう、っていうと?」
私には今、付き合い始めてもうすぐ2か月になる彼氏がいる。
そこまで親しい相手ではなかったけど、せっかく告白してきてくれたのだからと、あまり深く考えずに付き合ってみることにした。
「いやほら、セックスとかしてんのかなって」
「はぁ!?どうしたのいきなり」
瑞樹は今まで、そういった話を自分から切り出してきたことがなかった。
そんな瑞樹の口から「セックス」なんて直接的な言葉が飛び出してきたことに驚いて、私の声は面白いくらいに裏返ってしまった。
「そりゃまあ、してるけど…」
彼氏がいることは瑞樹にとっくに話しているから、別に隠すようなことでもない。
とはいえ、瑞樹がいきなりそんなことを言い出した真意がいまいち読めなくて、私は戸惑いながらも瑞樹の顔を見上げてみる。
すると瑞樹の方も気まずそうな表情をしていて、「やらかした」と思っているんだろうな、というのが分かりやすく顔に書いてあった。
「ごめん、話す順番間違えた。俺も最近彼女できたところでさ」
「マジで!?いつの間に…ってかおめでとう!」
「…ありがとう」
いかにも言い慣れていなさそうな「ありがとう」に、思わず口元がほころんでしまう。
恋愛脳とは対極みたいなところにいる瑞樹に、彼女ができる日がくるなんて夢にも思っていなかった。
…ほんの少しだけ、胸のあたりがちくっと痛んだ気がしたのは、きっと気のせいだ。
コメント (0)