ファンタジー世界に転生したら、拾ってくれた魔術師にいつの間にか愛されていた私 (ページ 2)

「リィンさん……」

やはりというべきか、そこにはリィンさんがいた。
リィンさんは私の姿を認めると静かに目を細めた。
そうしてゆっくりとこちらにやってきて、私の隣に並んだところで足を止める。

「…興味深い術だろ」

私が何を見ていたかわかっているような口振りだった。
リィンさんはかすかに笑みを浮かべて、机の上に広げていた本に手を這わせた。

「アルルが本当はこの世界の人間じゃないことぐらい知ってるよ」
「え…」

どうして、と言いたいのにうまく言葉を紡げない。
けれど私が何を言いたいのかそれすらお見通しなのだろう、リィンさんは「さあ、なんでだろうね」とゆっくり微笑みながら言った。

「…元の世界が恋しくなっちゃった?」

そう言って、リィンさんはこちらに向かって手を伸ばす。彼の大きくて温度の低い手のひらが頬に触れた。

*****

「やっ、いや…! あっ、待って…」
「待たない」

実験室のソファに押し倒され、こちらの逃げ道を封じるように覆い被さってきたリィンさんは強引なのにどこか優しく触れてきた。
その意外なほど繊細な手つきに私は内心でびっくりしてしまう。

それに、急にこんな――身体に触れられても、自分でも不思議なほど嫌悪感を感じないのだ。

どうしてだろう。

その答えを見つけようとしても、彼から与えられる快感が邪魔をしてうまく物事を考えられない。

「あっ、ぁ…いや、リィンさん、だめ…」
「は…やわらかい」
「あんっ、ぁ、ああっ!」

胸の膨らみを揉みしだかれ、身体がびくりと跳ねてしまう。

身に着けていた衣服も下着も彼の手によってあっという間に脱がされてしまった。

時折気まぐれにぷっくりと立ち上がった胸の尖りをつままれ、私は喉を反らした。

「あっ、ぁ、リィンさん、やっ…なんでこんな…」
「…アルル。元いた世界のことなんて思い出さなくていい。今君がいるのは、ここだろ?」
「やあんっ! あっ、だめ…下触っちゃ、あっ、ああっ!」

冷静に物事を考えられない状態ではリィンさんが何を言いたいのかよくわからない。問いかけたところでリィンさんは答える気もないみたいだけれど。

胸に触れていた手がそうっと腹部をなぞり、下がっていく。普通の人より低い彼の体温が伝わってきてびくりと身体が震えた。

そこから下を触られたら――。

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