ルームメイトの幼馴染と一線を超えた日、イっても泣いても抜いてくれなくて… (ページ 2)

「出て行きたいの?」
「いや…そうじゃないけど…」
「けど?」

じりっと私の方へ詰め寄る愁。

まだリビングに入っただけで、アウターも着たままな私。

どんどん近くなる愁に慌てて横を通り過ぎようとしたら、腕を掴まれそのまま壁に挟まれた。

「あ、あの、愁? なんか怒ってる?」
「そうじゃないなら、なんで出て行くの?」
「それは…」

掴んだ腕は離してくれず、今までにない距離の近さに心臓が張り裂けそう。

「それは?」
「…さすがにやっぱ無理かなって…」

愁と2人きりとか、いつか気持ちがバレてしまいそうで、とても続けられそうになかった。

だけど、それを言えない私。

愁は納得がいかないのか、不機嫌なままで…。

「無理ってなに…そんなに俺が嫌いなのか」
「ちがう! そうじゃない!」

むしろ大好き!

って言えたらどんなに楽か。

愁と知り合って初めて味わう重い空気。

相変わらず腕はそのままだけど、さっきよりも圧が強くなった気がする。

グッと愁の手に力がこもると思わず「うっ…」って声を上げてしまった。

「ね、ねぇ、愁? 腕いたいよ…」

下を向き俯く愁に話しかけてみる。

ゆっくりと頭を上げた愁と視線があうと、今まで見たことのない怒りの目つき。

その凄みに体が強張りすくんでしまった。

目を逸らせないまま愁が近付いてくる。

見つめ合ったまま唾をゴクリと飲み込むと、やけに嚥下音がうるさく感じた。

「あの、愁…っ?」

え?ってなってしばらく動けなかった。

だって今、私の唇に愁の唇が重なってる…。

キス…してる?

なんで?が頭の中でグルグルしてると、突然愁の舌が私の唇をこじ開けた。

「んあっ…んっ…ん…ふぅ、んっ…ッ」

追いつかない思考に、愁の舌が容赦なく私をかき乱す。

強引だけど優しい舌遣いに翻弄されて、押し返そうとしていた腕から力が抜ける。

それに腕は掴まれたままだけど、もう片方の手で頬を包み込まれてされるがまま。

どうしてキスなんか…。

頬にあった手の平が私の後頭部に移動して、さらに深く舌が入ってきた。

「ん…っぐ…ふ、ん…んッ…」

一瞬の隙も与えて貰えず、呼吸が苦しくなっていく。

「愁…ん、はぁ…んっ、ん…んっ、はぁ」

思わず愁の胸をドンドンと叩くと、ようやく唇が解放された。

「はぁ…はぁ…はぁ…ん」
「俺がどれだけ我慢していたか…お前は知らないだろう。今さら…お前を手放す気なんてこれっぽちもないからな」
「え…? 我慢って…」
「ずっとずっと…小さな頃からずっと…好きだった…例えお前が俺のこと嫌いでも関係ない。出て行くなんて…させないから」

愁が私を好き?

そんな昔から好きだったなんて気付きもしなかった。

思い詰めたような愁の表情に、私は胸が苦しくなって咄嗟に自分からキスを送った。

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