嫌いだったはずの同僚に強引に責められ、本当の自分の気持ちを思い知らされる私…

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嫌いだったはずの同僚に強引に責められ、本当の自分の気持ちを思い知らされる私… (ページ 1)

「ねぇ美紀さん、たまには飲みに行こうよ」

和彦はPCに向かって残業に励む私の背後から声をかけてきた。

「結構です。まだ仕事も残ってますので」

私はやや冷たい口調で誘いを断る。
今月に入ってからだけでも3回以上は断っただろうか。

「やれやれ。もう何年も一緒に仕事してるのに、一回も美紀さんとだけは飲んだことないんだよな~」

和彦は残念そうな表情を見せながらそう言うと、ゆっくり私から離れていった。

私が和彦の誘いに乗らない理由は単純。
昔からあまり好きではないからだ。

仕事が出来ないにも関わらず、サボり癖のある和彦は周りの同僚に負担をかけてばかり。
だがその綺麗に整った顔立ちと愛想の良さで、嫌われるどころか何をしても許される空気が出来てしまっている。
とにかく真面目に今までの人生を歩んできた私にとっては、どうしたって相容れない存在だった。

「じゃ、俺は先に帰るよ?」

このままだと最後の一人になってしまうよ?
とでも言いたげな雰囲気で、和彦は私に言った。

「どうぞ。私もこれが片付いたら帰りますのでご心配なさらず」

今日も全く仕事をしていた様子はなく、本来帰れる状況ではないはずだが…。
どうせまた、明日にでも誰かに押し付ける気なのだろう。
私は半ば呆れた雰囲気で答える。

「あ、そうだ美紀さん、ちょっとこっち向いてもらえる?」

一瞬も目を合わせず、PCを見ながら背中で受け答えをしていた私に、和彦は振り返るよう求めてきた。

「もう。何ですか?忙しいのが見て分から…」

振り返った瞬間、私の言葉を遮るように和彦はキスをしてきた。

「んっ…!?」

突然の出来事に驚いた私は、慌てて和彦と距離を取る。

「ちょっと…何してるんですかっ…!?」
「え?キスだけど?」

私の質問に対し、そんなにおかしなことだったか?とでも言いたげな表情で、和彦は平然と答えた。

「意味がわかりません!自分が何をしてる…」
「いや~、やっぱり可愛い女の子が怒った顔ってそそられるよね!」

そう言って和彦は再び私の唇を強引に奪っていく。

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