かっこいい課長をロックオンして飲み会に挑んだら意外な形になっちゃった
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かっこいい課長をロックオンして飲み会に挑んだら意外な形になっちゃった (ページ 1)
新入社員が来て一ヶ月が過ぎた。現場に慣れてきたこともあり、歓迎会を行うこととなった。
あたしは何もしなくていいから楽だったけど、同僚の幹事は相当店選びで大変だったみたい。何せ舌が肥えた部長がいるから。
「店選びなんてどうでもいいじゃーん」
そう言うと、同僚はそうも行かないんだよと渋い顔をする。店選びひとつで後の出世が決まるらしい。
ま、あたしには関係ないし。それよりもあたしの狙いは隣の部署の課長さん。
清水さんはカッコよくて、脚が長くて、背が高い。まさに理想の相手。
飲み会の日。あたしはいつもより張り切って服を新調した。課長さんは服装にうるさいらしいから、大人しめだけど甘めのコーデ。
店に入ると高級そうなお店で落ち着いた雰囲気だ。予算は掲示されているから手持ちで大丈夫だろうけど、普段ならこんなお店入れないんだろうなあ。
道の真ん中できょろきょろしていたら、後ろから靴音が聞こえたので小さく謝って道を譲った。よく見ると、あの隣の部署の課長である清水さんだった。
「どうも、ありがとう」
バリトンボイスでお礼を言う清水さんの歯がきらりと光った気がする。あたしはすっかり彼に夢中になって追いかけた。
「お疲れ様です。あたしは隣の部署の悠木です」
「うちの会社の人だったんですね。お疲れ様です」
認知されてなかった。がっかり。
まあ、隣の部署は滅多に交流ないし、知らなくても当たり前か。でも、知っていて欲しかったな。
でも、今日、覚えてもらえばいいや。よし、頑張ろう。
自分の部署の部長は放り出して、あたしは清水さんの隣に座ってお酌をしていた。彼はお酒に弱いらしく日本酒のおちょこ一杯だけで顔を真っ赤にしている。
お開きになる頃には清水さんは酔って寝ていた。ゆすって起こしてあげるけど、反応が鈍い。
「清水さん潰れちゃったかー。近くのホテル泊まらせよう」
部長の提案で彼をホテルに送って行くことになった。選ばれたメンバーは隣の部署の人とあたし。
「なんであたしなんですか!?」
「清水さんはお酒弱いのに、どんどんお酌して潰したのが君だから」
やったー。これとないチャンスだった。
男の人を運ぶのは大変だけど、隣の部署の人が屈強な人で良かった。彼がほとんど清水さんを背負っている。
あたしたちはホテルに向かった。
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