長年の片想いが爆発。こうなったらとことん彼を揺さぶると決めて…

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長年の片想いが爆発。こうなったらとことん彼を揺さぶると決めて… (ページ 1)

「瑠璃、俺フラれた」
「…え?」
「二股かけられてたらしい。…はー、だる」

居酒屋で飲んで帰り道の突拍子もないカミングアウト。
居酒屋でもなんだか煮え切らない顔してるなとは思ってたけど…

「那智女見る目なさすぎ。何度目よそういう系」
「…だよなー」

辛そうな顔。見てられない。
私は、少し先に見えたコンビニの光に那智の手を引いて足を早めた。

「よし、飲み直そ」

*****

「久々だな、瑠璃の部屋で飲むの」

…当たり前だ。
好きなやつでも、あたしの事見てないやつなんて家に上げたくない。

泊まらせてしまったら、朝起きた時近くに那智の寝顔があるだけで幸せすぎて、でも好き合ってない現実に余計辛くなるんだから。

那智のことは、中学の時から好き。
高校は別で、大学はたまたま同じだった。

幼馴染というのは恐ろしい。
地元が一緒だから、会ってなくても誰かしらから近況報告されたり噂が出回ったり。

忘れられそうな時にタイミング悪く親や友人から那智の噂を聞いちゃったりして、また頭の中が那智でいっぱいになった。

別々の会社に就職したのに、まさかの取引先として再会してしまいまた縁が繋がった。
…好きになって貰えないなら、もう会えない方がいいのに。

「女にしては部屋、殺風景だよな」
「何よ。悪い?」
「いや、んな事ない。俺スッキリしてる部屋がいい」

クッション抱えてソファにもたれて、遠慮なくしっかり寛いでる那智。
お酒を飲みながら、ポロポロと時々本音が零れる。

前もどっちつかずの関係でキープにされてて、その前も浮気されてた那智。
顔はイケメンなのに、変なとこ寛大すぎて女がフラフラしだすのはもう定番。

「なんで俺こんなんばっかなんだー…」

…そりゃあたしを選ばないからだ。
心の中だけに声を抑える。
「ちょっとそんな端に缶置いたら零す」

「冷てーなおい」
お酒で目の下が少し赤くなった那智。
居酒屋でも沢山飲んでたのに、やっと酔いだしたのが恐ろしい。

「慰めてくれよー」
「誰が慰めるかばか」

慰めて欲しいのはこっちだ。
他の女ばっか見て私がいることにも気づいてくれない奴を慰めるなんて自分には無理。

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