失踪していた従兄弟が帰ってきて、お互いの本当の気持ちに向き合う私たちの決断 (ページ 2)

 翌日、やはり葉月のせいという言葉が気になって英二の家に行った。おじさんもおばさんも不在だった。

 英二の部屋では部屋主は寝ていた。葉月は彼にそっと近づく。

 そっと英二の寝顔を覗き込もうとして足が滑った。そして、英二の顔にダイブしてしまった。

 完全に唇と唇がくっついていた。

 葉月が慌てて顔をあげようとしたら、英二ががっちりと彼女の頭を固定して離さない。抵抗するが、男と女では力の差は歴然だ。

 体の方に力を入れたら、英二が腰もロックしてきて、体が完全に密着状態になる。いくら英二と葉月と言えど、今までこんなに近くになることはなかった。

 英二がぬるりと舌先を入れてきた。葉月が驚いて英二の顔を見たら、うっとりと恍惚の表情を浮かべている。

 英二が幸せなら、それでいいかも…。魔法にかかったように葉月も同様の表情に変わった。

「んっ…ふっ…」

 舌が絡まり、深く口内を犯し合う。どちらとも分からない唾液がつーっと橋になり、ぷつんと切れる。

「どうして」

 もう既に分かっていても聞かないわけにはいかなかった。

「私のせいって言ったけど、それって私が結婚したから?」

 英二は黙って頷いた。

「そうなんだ。私も英二が好きだよ。でも、私たちは近すぎたのよ」

「ああ、そうだな」

 一瞬の間が生まれた。英二は何かを言いあぐねているようである。

「今更何よ。言いなさいよ」

「あの、俺と一回やってください」

「は!?」

「いや、自分の気持ちの区切りを付けたいんだよ。お願いだよ」

 葉月は考えた。

 今も英二は好きである。しかも、きちんと恋愛として彼が好きだ。

 もし、ここで彼に体を許すとして、夫と子供はどうなる。

 …いや、何もならないぞ?

 バレなければいい話だ。それに私も自分との折り合いをつけたい。

「いいよ、しよ」

 英二が座っているベッドの足元に跪いて彼のズボンのファスナーを下ろす。

「葉月! いきなり…」

「何、したくないの?」

「そういうわけじゃ」

 別に嫌がっている訳ではなかったので、葉月は先に進めた。パンツから彼のペニスを取り出す。

 まだ勃起してはいなかったから、葉月はそれを口に含んで前後に顔を動かし始める。彼自身の匂いが強くする。

「くっ、そ、れ、いい!」

 快感に耐えるように英二は葉月の頭をくしゃと掴んだ。

 男性に奉仕することは夫が初めてだったが、心から喜ばせたいと思ったのは英二が初めてだ。愛しい気持ちが込み上げ、ペニスを舐める舌にも熱が籠る。

 英二を見つめながら、つっと陰茎を舐め上げる。英二が熱っぽい息を吐き、葉月もつられてはぁと大きな息を吐いた。

「次は葉月も気持ちよくなれよ」

 英二が葉月の服を脱がそうと手をかけた。

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