駄菓子屋のお兄さんに失恋の話をしたら、優しく慰められて虜になってしまった私
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駄菓子屋のお兄さんに失恋の話をしたら、優しく慰められて虜になってしまった私 (ページ 1)
「こんにちは。今日も儲かってますか?」
「そんなわけないだろー」
このやり取りが私と理央さんとのお決まりの挨拶だった。
理央さんは近所の駄菓子屋を営む若い男性で、少し前に父親から受け継いだのだという。
ご両親は定年退職を機に地方でスローライフを始めたそうで、そのため彼一人で気楽に店をやっているらしい。
「儲からないでどうやって生計立ててるんですか?」
「俺パソコン関係の本業あるからメインはそっち。こっちは副業みたいなもん」
たしかに駄菓子屋の奥をちらと覗くと、昔ながらの木造家屋に似つかわしくない大きなパソコンが見えた。
「それで、今日もいつもの詰め合わせ?」
お菓子が大好きな私はこの駄菓子屋の常連で、今日もお馴染みの商品を買いに来たところだった。
「あぁ、はい。えっと…ありがとうございます」
「…なんか他にもありそうだね?」
私の返事を聞いて理央さんが顔を覗き込む。
「ちょっと…話を聞いてもらえますか?」
*****
「なるほど…失恋ねぇ」
閉店後、お店の奥の居住スペースに招かれソファに座った私は、淹れてもらった温かいお茶を飲みながらぽつりぽつりと話す。
「2年続いた人だったので、心にぽっかり穴が開いたような感じで…」
「長かったんだねぇ」
「しかも他に好きな人ができたとかで、私、捨てられちゃいました…」
誰かに聞いてほしくて理央さんを訪ねたのに、いざ話したら耐えられず涙があふれてしまう。
それを見た理央さんは何も言わず、しかし何かを考えるように静かに耳を傾けてくれていた。
「ごめんなさいこんな話をして…。聞いてもらえて少しスッキリしました」
沈黙が嫌で逃げるように立ち上がると、黙っていた理央さんに手首を掴まれた。
「夕夏ちゃん、俺じゃその穴埋められない?」
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