友人カップルの浮気騒動に巻き込まれ、友人の彼氏の超絶テクにイかされまくっちゃう私 (ページ 2)

よく見ると、というか、よく見なくても悠介くんはイケメンだ。

私の友人と悠介くんがつき合い始めるきっかけになった合コンには、私も参加していた。

一次会が終わるころ、悠介くんと私の間では、帰る振りをしてふたりでカラオケしようという話がまとまりつつあった。

でもそれっていかにもエッチに持ってかれるパターンなので、ちょっとはぐらかしつつ、でも前の彼氏と別れてから誰ともしてないし、行っちゃおうか、いや、やっぱりやめとこうなどと思い悩んでいたら、友人が話に割り込んできた。

友人は、誰の目から見ても可愛い、モテるのを自覚しているタイプで、私は引き立て役兼相談役だ。

正直、友人が来てくれたお陰でほっとした。

やっぱり出会ったその日にワンナイトなんて、私はそういうキャラではないし。

三人で盛り上がって、帰りはタクシーに相乗りして私が先に降り、友人が悠介くんをお持ち帰りして、実家暮らしだった悠介くんはそのまま友人のところに転がり込んだ。

「ああ、美味しい、ってか沁みるな。やっぱり栞ちゃんにしとけばよかった」

ちょっとそれ、どういう意味よ。

というか、そういう男なんだろう。

合コンで一番可愛い子を仕留めて、それなのに浮気して、そしてさり気なく脇役の私まで射程距離に置いておこうとする抜かりのないヤリチン。

「まだあるからもっと食べる?」

「えっ、喜んで」

鍋に残った筑前煮と、ごはんのおかわりをよそうと、悠介くんはあっという間に平らげてしまう。

そろそろ電話をしてみるか。

「栞ー! 栞も誘えばよかった、今日ひとり勝ちしすぎてかわすのが大変なのよー」

友人はかなり酔っている。こんな時間にすでに出来上がってるって、やばくないか?

「悠介くんが家に来てて、話がしたいって。だから帰ってきて」

「ちょっと…久しぶりの合コンなのに、帰るわけないでしょ。ってか、なんで悠介がいるのよ。栞が呼んだの?ずっと狙ってたんだもんね。もう別れるから、あんなヤツ栞にあげるよ」

「ちょ…違うんだってばっ。狙ってなんかないし、勝手に来ちゃったのよ。直接話してよ」

悠介くんにスマホを渡す。

「なんで逃げるんだよ。誤解だって言ってんだろ…」

悠介くんは、深いため息をつき、私のスマホをテーブルに置いた。

「切られた」

もう一度電話をかけたら、電波が届かない旨の自動音声が流れてきた。

電源ごと落とされたか。

「さっき、何て言ってた?」

合コンに行ってるとか、別れるとか、余計なことを言ってふたりの争いに巻き込まれたくない。

「かなり酔ってたみたいで話にならなかった」

「けっこう長く話してたよね。何て言ってたか教えて」

縋るような眼で言われてしまい、嘘をつき通せなくなる。

「もう別れるって…いや、本心じゃないと思うけど。昨日までは毎日大泣きで大変だったんだから」

「…そっか、別れたいのか」

悠介くんは、目も当てられないくらいに落ち込んでしまって、今にも泣き出しそうだ。

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