優しさの中に潜む罠!料理上手な美青年に一目惚れされ、甘く愛されました! (ページ 4)
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「依生くん。また来てくれる?」
私は玄関先で、彼を見送る。
「もちろんです。また料理、作りに来ますね」
優しい笑顔で、依生くんは言った。
「依生くんの料理って、何というか家庭的で好きだな」
「本当ですか? じゃあ、色々勉強しておきますね」
依生くんはそう言って、出て行こうとするも。
「あ、あの」
私はつい、引き留めてしまう。
「どうかしましたか?」
依生くんは不思議そうな表情で見つめる。
「料理だけじゃなくて、また、その…愛してくれる?」
さっきまでの私では絶対に言わなかったであろう言葉が紡がれる。
すごく恥ずかしくて、緊張もしたけれど。
どうしても、これだけは伝えたかった。
依生くんは意外、という顔をした後、目をゆっくりと細めて。
「いっそ、僕のものになってくれますか?」
そんな言葉を残して、その場を後にした。
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