彼女にフラれて落ち込む友達。ヤケ酒に付き合っていると、寝落ちしてしまって…

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彼女にフラれて落ち込む友達。ヤケ酒に付き合っていると、寝落ちしてしまって… (ページ 1)

別に、あんたのことなんて好きじゃない。

でも彼女にフラれて落ち込んでて可哀想だったから、相手してあげようと思っただけ。

「健吾、ほら、元気出しなさいよ」

「はあ…俺ってどうしてすぐ彼女にフラれるんだろうな…」

「女に問題があるんでしょ。ほら、お酒飲んで忘れなさい」

健吾はぐすぐす泣きながらビールを呷った。

彼と出会ったのは大学生の頃。

同じゼミで、一緒に発表の準備をするうちによく話すように。

お互いお酒が好きっていうこともあって、飲み歩きもしょっちゅうしていた。

そしてその関係は、大学を卒業し、会社員になってからもこうして続いている。

まあ、今は主に、彼女にフラれた健吾を慰める目的で集まっているようなものだけど。

「健吾ならすぐいい人が見つかるわよ。これだけイケメンなんだから」

「そうかなぁ…」

「自信持って。あんたってほんと顔はいいから」

「顔以外は?」

「顔以外はー…まあまあ?」

「おい」

「冗談よ」

私はお酒を飲みながらケラケラ笑った。

いつもバーとか居酒屋とかで飲んでいるけれど、今日は私の部屋で宅飲み。

それもあってか、酔いがあっという間に回っていく。

「ほんと…どうして変な女とばっかり付き合うんだか」

「え?」

「何でもない。ほら、お酒もっと飲みなよ」

私は空になった健吾のグラスに、ビールを注いだ。

*****

「…ん」

気づいたら机に突っ伏して眠っていた。

お酒を飲み過ぎて寝落ちするなんて…。

こんなこと、滅多にないのに。

ごしごし目を擦りながら隣を見ると、健吾も眠っている。

可愛いその寝顔を見ているうちに、自然と体が動いていた。

ちゅ、と軽くキスをする。

彼の柔らかな頬に。

「どうして…私じゃないのよ」

声が震えて、涙が滲んだ。

ぽとっと落ちた滴が、彼の頬を濡らす。

慌てて拭うと、名前を呼ばれた。

「…由梨?」

健吾の睫毛がわずかに震えて、ゆっくりとその瞳が私を映す。

「由梨…なんで泣いてるの」

「泣いてなんか…」

「泣かないで」

きっと彼は酔っ払ってるんだ。

それとも、寝ぼけているだけ?

彼の顔が近づいたと思ったら、私の唇に優しくキスをした。

そのままぎゅっと抱き締められて、床に押し倒される。

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